2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリオトロンJにおけるプラズマ粒子輸送特性の解明とその制御に関する研究
Project/Area Number |
08J56411
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
向井 清史 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プラズマ / ヘリオトロンJ / マイクロ波反射計 / 電子密度分布 / 粒子輸送 / 輸送障壁 |
Research Abstract |
1.本研究の目的は、ヘリオトロンJにおけるプラズマ粒子輸送の特性を解明し、制御法への展開を行うことである。本年度は、i)マイクロ波AM反射計を用いてプラズマ電子密度分布計測を行い、密度分布の加熱・磁場配位依存性を調べる、ii)反射計計測により周辺輸送障壁の存在を明らかにし、形状の評価を行う、iii)反射計を多チャンネル化し、複数点の電子密度揺動を同時計測可能にする、ことを目標として研究を進めた。 2.昨年度は、反射計信号のS/N比が低く電子密度分布データの取得には至らなかった。そこで今年度は、高パワーのマイクロ波部品やノイズ低減用のフィルタを導入するなどした結果、S/N比が大幅に向上し密度分布の時間発展が計測可能となった。ヘリオトロンJプラズマの電子密度分布およびその時間発展に関する情報は今年度初めて得られたものであり、今後の研究の発展へと繋がる重要な成果である。 3.電子密度分布の加熱依存性を調べた結果、ECHプラズマでは線平均密度の増加に伴い分布形状がホローからフラットへと変化していく傾向が、NBIプラズマでは中心部でピークした形状のまま密度が増加していく傾向がそれぞれ観測された。これは、ECHプラズマでは加熱の効果により外向きの流れが生じており、NBIプラズマでは中心部への粒子供給により分布がピークしているものと考えられる。 4.また、揺動計測を目的としたマイクロ波反射計の開発を進め、特性試験の結果、次年度にはプラズマ計測に適用可能な見通しが得られた。 5.次年度には、i)反射計計測により周辺輸送障壁の存在を明らかにし、形状の評価を行う、ii)周辺輸送障壁およびその周辺の電子密度揺動計測を行い、障壁形成過程における密度揺動の変化を調べる、iii)他の実験装置の結果との比較を行い、ヘリオトロンJにおける周辺輸送障壁形成における物理を解明する、ことを計画している。
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