2008 Fiscal Year Annual Research Report
初代肝培養細胞を用いた、HCV感染時におけるアポトーシスの解析
Project/Area Number |
08J56461
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
犬伏 祥子 Kobe University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / アポトーシス |
Research Abstract |
我々の研究室ではすでにC型肝炎ウイルス(HCV)感染実験系において、HCVがアポトーシスか誘導することを報告している。これまでのHCV感染によるアポトーシス研究では、特殊な肝がん細胞株を用いたHCV感染実験系を汎用しているが、初代肝細胞実験系ではまだ確立していない。本研究では、より生体内に近いヒト初代肝培養細胞を用いたHCV感染実験を行い、HCV感染によるアポトーシス誘導を明らかにする事を目的としている。本年度は初代肝培養細胞のHCV感染効率、複製効率および、感染により細胞増殖抑制が誘導されているかを検討した。 ヒト初代肝培養細胞(HuS-E/2 cell)にHCVを感染させ、細胞内HCV RNAについてreal-time PCR法で解析したところ、感染後RNA量は経日的に減少した。しかし、数日後からHCV RNA量の増加が認められた。HCV感染後のHuS-E/2 cell上清をヒト肝がん細胞.(Huh-7.5 cell)に感染させ、蛍光抗体免疫染色法を用いHuS-E/2 cellから感染性ウイルスが放出されているか否かを解析した。結果、HuS-E/2 cellからは感染性ウイルス粒子が放出されていない事が明らかとたった。これらの事から、HuS-E/2 cellにおけるHCV複製効率は非常に低い事が明らかとなった。HCV感染HuS-E/2 cellのWST-1 assayを行ったとこる、感染細胞において細胞増殖抑制を起こしている事が明らかとなった。 今後、より生体に近い感染実験系を構築する為に、HuS-E/2 cellの3次元培養を行い、HCV複製効率を上ける事を試みる。そして、この3次元培養感染系を用いて、caspase-3等のアポトーシスマーカーについて解析し、HCV感染による細胞増殖抑制がアポトーシスによるものかを明らかにしようと考えている。
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Research Products
(2 results)