2009 Fiscal Year Annual Research Report
6-8-2式マルチアンビル型超高圧発生装置の開発とマントル最下部領域鉱物の相転移
Project/Area Number |
08J56491
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
國本 健広 Ehime University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 高圧発生技術 / 6-8-2式マルチアンビル型超高圧発生装置 / GeO2 / 圧力定点 / 圧力誘起金属化 / 構造相転移 |
Research Abstract |
前年度に開発を行った6-8-2式マルチアンビル型超高圧発生装置(以下、6-8-2MA)を用いた100GPa領域におけるGeO2の高圧相探査を行った。GeO2は地球の主要な構成成分であるSiO2のアナログ物質であるため、その高温高圧相関係を知ることは有意である。実験分野におけるGeO2の高圧相関係はダイヤモンドアンビル装置(DAC)を用いて主に研究されており、その相転移シークエンスは概ね明らかになっているが、正確な相境界の決定などは行われておらず、これはDAC特有の供給温度の不安定性に起因するため、早急な改善は見込められない。そこで本研究では6-8-2MAを用いてGeO2のCaCl2型-α-PbO2型-パイライト型の相境界の精密決定に着手し、マルチアンビル装置としては初めて、GeO2のCaCl2型・α-PbO2型の観測に成功した。また、DACによる研究ではパイライト型の安定領域として報告されていた圧力・温度下においてもα-PbO2型が安定に存在しており、これまでの報告とは異なる結果が示された。次に川井式マルチアンビル型高圧発生装置の主な実験領域である10-30GPaまでの圧力で頻繁に用いられる圧力定点の再決定を行った。圧力定点は回収実験における圧力指標である。放射光実験施設以外で行われる高圧実験における圧力決定は基本的に圧力定点を用いて行われるため、その圧力の決定は非常に重要である。しかし圧力定点の中には決定方法に重大な問題を持つものが一般に信用されている例もあるため、本研究においてZnTe,ZnS,GaAsおよびGaPの定点の圧力再決定を複数の圧力マーカーと状態方程式を用いて行った。
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Research Products
(3 results)