2008 Fiscal Year Annual Research Report
拡散テンソル画像を用いた末梢神経損傷評価の確立と徐放化栄養因子含有人工神経の開発
Project/Area Number |
08J56561
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高木 岳彦 Keio University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 脳・神経 / 可視化 / 核磁気共鳴 |
Research Abstract |
実験計画1:拡散テンソルトラクトグラフィー(DTT)の相関性と臨床応用 水分子の拡散係数の最大方向を追跡する拡散テンソルトラクトグラフィー(以下DTT)を用いて、神経線維の拡散異方性の変化を検討し、神経線維を周囲組織と識別させることにより同一個体における末梢神経損傷後の回復過程の可視化に成功した。また、この妥当性を評価するため組織により制限される水分子の拡散(この性質を異方性という)変化の詳細を検討し、軸索密度、軸索径に代表される組織像との相関性、機能評価との関連性を証明した。 これらの成果を末梢神経疾患における臨床例へ応用することを考え、臨床用MRIにおいて適切な撮像条件を設定し手根管症候群など末梢神経領域のcommon diseaseにおける病態把握の検討をしている。手関節部の正中神経の描出が可能な段階に入っている。 実験計画2:徐放化栄養因子含有人工神経の開発 成体ラット坐骨神経に15mmのgapを作成しbFGF含有ゼラチンハイドロゲルPGAチューブを移植して自家神経移植と比較した。機能解析では運動評価として下肢筋力検査、知覚評価としてvon Freyfilament検査を行ったが、このチューブではより自家神経移植に近づいた機能回復が得られることが確認された。また新生血管の評価を行ったが受傷後1週、4週の時点では依然自家神経移植以外では明らかな再生はみられていない。今後損傷後16週までの長期評価を行う予定である。 さらに、より自家神経に近づけるため、細胞移植の併用の検討に入った。損傷後1週の末梢神経よりSchwann細胞を単離し、一定の条件下で培養すると増殖能の高いシュワン細胞由来の未分化細胞塊が形成されることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)