2008 Fiscal Year Annual Research Report
育児休業制度やマクロの景気要因が女性の結婚の意思決定に及ぼす影響について
Project/Area Number |
08J56581
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 一磨 Keio University, 商学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 結婚 / 育児休業制度 / 結婚市場 |
Research Abstract |
本研究では、育児休業制度やマクロの景気要因が女性の結婚の意思決定に及ぼす影響について分析することを目的としている。本研究の意義は、出生行動に大きな影響を及ぼすが、あまり研究例のない結婚について分析し、その意思決定の構造をより明らかにしようとする点にある。本年度はこの研究を進めるにあたって(1)結婚に関する理論の整理、(2)使用するデータの調査及び(3)データセットの構築といった作業を行った。 (1)では、結婚の比較優位に関する理論、結婚市揚におけるサーチ理論、また、結婚の安定割当に関する理論などのサーベイを行った。この結果を用い、分析を進めていく上でどの理論が有望なのかを判断した。その結果、結婚市揚におけるサーチ理論が最も適切であるという結論に至った。この理論では、結婚することによる期待便益やサーチコストを考慮しており、それら便益やコストの部分に育児休業制度やマクロの景気変動による影響が含まれると考えられるからである。 (2)では、研究の目的やモデルを実際に検証していくためにはどのようなデータセットが適切であるのかを検討した。候補には慶応義塾大学経商連携グローバルCOEプロジェクトの「慶應義塾家計パネル調査(KHPS)」と財団法人家計経済研究所の「消費生活に関するパネル調査」の2つがあったが、今回は後者のデータを使用することとした。これはKHPSでは分析で必要不可欠となる結婚時点での育児休業制度の有無に関する変数が使用できないとわかったからである。 (3)では、「消費生活に関するパネル調査」を用い、分析に適したデータセットなるようデータの整備を行った。ここでは調査初年度に未婚である正規就業についていた女性に限定したデータセットを作成した。
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Research Products
(1 results)