1997 Fiscal Year Annual Research Report
シベリア湿原における大気環境汚染調査と環境影響の評価
Project/Area Number |
09041120
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 幸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00100058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ラステガエフ I ノリリスク実験センター, 次長
マカロフ V ヤクーツク永久凍土研究所, 部長
山形 定 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80220242)
村尾 直人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00190869)
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Keywords | シベリア湿原 / 大気環境汚染 / 大気エアロゾル / 硫酸イオン粒子 / 有機物粒子 / 黒色純炭素 / バナジウム / IPC質量分析 |
Research Abstract |
ロシア連邦ヤク-ツク・サハ共和国のヤク-ツク市郊外と、北極海沿岸に位置するチクシー市の郊外に大気エアロゾルのサンプラーを設置し、一カ月毎の大気エアロゾルのサンプリングを行っている。ただし、ヤク-ツク市の郊外の宇宙線観測所においては停電が多く、定常的な観測は開始されていない。一方、チクシー市の郊外における観測では、粒径2μm以下の微小粒子エアロゾルの総重量濃度は1〜4μg/m^3であり、冬季〜春季に比較的高濃度となること、成分的には硫酸イオン、有機物および黒色純炭素成分が大部分を占めていること、また重金属成分のうちで、バナジウムおよび鉛のアルミニウムに対する比(濃縮係数)が、冬季〜春季に1000以上となり、これらの汚染物質が遠方の工業地域からチクシーに長距離輸送されていることが推測される。さらに今年度は、ヤク-ツク郊外において表層土壌および植物葉の採取を行い、北大まで持ち帰った。現在、これらの土壌および葉試料中の酸性成分および重金属成分の分析法について検討している。試料を風乾後、ボールミルで破砕し、酸性成分については蒸留水抽出後、イオンクロマトグラフ法により分析した。重金属成分については、粉砕試料を硝酸およびフッ酸の混酸で分解し、ICP質量分析計により分析を行っており、現在その精度について標準試料を用いて検討している最中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tatsuya FUKASAWA, Sachio OHTA, Naoto MURAO, Sadamu YAMAGATA and Vladimir N. MAKAROV: "AEROSOL OBSERVATIONS IN THE SIBERIAN ARCTIC" Proceedings of the NIPR Symposium on Polar Meteorology and Glaciology. No.11. 150-160 (1997)