抗植物ホルモン抗体遺伝子の導入による植物の成長制御

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09044206
• Research Category: Grant-in-Aid for international Scientific Research
• Section: Joint Research .
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 山口 五十磨 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00012013)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): CONRAD Udo ガータースレーベン植物育種研究所, 主任研究員 ; WEILER W Elm ルール大学, 植物生理学科, 教授 ; 中嶋 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50237278) ; 鈴木 義人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90222067)
• Keywords: 植物ホルモン / 一本鎖抗体 / 形質転換タバコ / 抗イディオタイプ抗体

Research Abstract

抗ジベレリンA4(GA4)抗体のV_L,V_Hをリンカーペプチドで結合させた一本鎖抗体をコードする(scFV)遺伝子を構築し、2種類のベクターに組み込み、バイナリーベクターを用いるアグロバクテリウム系によりタバコに導入し、形質転換を行い、カナマイシン耐性の再分化個体を得た。これらの再分化個体の中から任意の8個体を選び、mRNAを抽出し、ノーザンハイブルダイゼーションを行ったところ、6個体からscFV由来のバンドを認め、これら6個体にはscFV遺伝子が導入されたことを確認した。また、マーカータンパク質に対する抗体を用いたウエスタンブロットによって、2個体から抗体タンパク質が植物体内で生成していることが確認された。これまでのところ、これらの形質転換体にはscFVの発現に由来すると考えられる特異な形質は認められていない。次世代を得て、scFVの発現および表現型を解析する予定である。また、抗GA4抗体とGA4との結合を阻害する抗イディオタイプ抗体のscFVも構築した。大腸菌で発現させたこの抗イディオタイプscFVは、抗GA4抗体とGA4との結合を阻害した。現在、この抗イディオタイプscFVを用いたタバコの形質転換、および他の植物ホルモンについてもモノクローナル抗体の調製を進めている。これらを用いてタバコを形質転換し、植物ホルモンの作用が抑制された個体をスクリーニングし、目的に適ったベクターを選択して、新たな形質転換植物を作成し、植物ホルモンの新たな作用を探って行く計画である。