1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09044216
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
海老原 史樹文 名古屋大学, 農学部, 教授 (50135331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 重信 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (10162629)
井上 愼一 山口大学, 理学部, 教授 (10274151)
深田 吉孝 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80165258)
近藤 孝男 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10124223)
本間 研一 北海道大学, 医学部, 教授 (40113625)
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Keywords | 概日リズム / 生物時計 / 分子機構 / 時計遺伝子 / 視交叉上核 / 松果体 / 突然変異体 |
Research Abstract |
約24時間の周期を示す概日リズムは、原核生物からヒトに至るほとんどすべての生物に見られる内因性の振動現象である。概日リズムの性質は、すべての生物に共通しているが、その発現が共通した分子機構に基づくか否かは不明である。本研究では、原核生物から哺乳類に至る生物の概日リズムを系統的に解析し、概日リズムの分子・細胞機構の解明を目指した。特に、今年度は、本研究の最終年度のため、それまでの成果を集大成して概日リズムの分子・細胞機構の発現モデルの構築を目指した。過去2年間の研究で、米国と日本で独自に藍色細菌、ショウジョウバエ、マウスなどで時計分子を分離しが、このうち特に、今年度は、マウスのClock遺伝子ホモログやCLOCKタンパクのパートナーであるBMAL1をコードする遺伝子を明らかにし、動物界においては時計のコンポーネントに共通性があることを示した。さらに、原核生物では、時計分子が異なっているが、いずれの生物でも概日リズムは、時計遺伝子の転写とタンパクの翻訳により構成される正と負のフィードバックループを基本として発現することを示し、生物を通した概日振動分子機構の普遍性を明らかした。 これら以外にも、松果体光受容物質pinopsinの概日系への関与、視交差上核単ー細胞からのリズム記録、アストロサイトと概日リズム発現の関連、無周期マウスの発見、ICERと概日リズム発現などについてそれぞれ成果を挙げた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Yoshimura: "Decline of circadian photosensitivity associated with・・・" Brain Research. 779. 188-193 (1998)
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[Publications] A.Adachi: "Phase-relationship and mutual effects between circadian・・・" Brain Research. 792. 361-369 (1998)
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[Publications] Y.Wada: "Identification of rhodopsin in the pigeon deep brain" FEBS Letters. 424. 53-56 (1998)
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[Publications] 海老原史樹文: "時計遺伝子" ファルマシア. 34. 563-567 (1998)
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[Publications] A.Adachi: "The relationship between ocular melatonin and dopamine・・・" Brain Research. 815. 435-440 (1999)
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[Publications] H.Abe: "Splitting of circadian activity rhythms under continuous・・・" Journal of Comparative Physiology A. (in press). (1999)
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[Publications] 海老原史樹文 編: "生物時計の分子生物学" シュプリンガーフェアラーク東京, 201 (1999)