1998 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型細胞増殖因子HB-EGFによるジャクスタクライン機構の解析
Project/Area Number |
09044348
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
目加田 英輔 久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (20135742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KLAGSBRUN Mi ハーバード大学, チルドレンズホスピタル, 教授
関口 清俊 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 所長 (50187845)
馬田 敏幸 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (30213482)
岩本 亮 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助手 (10213323)
常岡 誠 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50197745)
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Keywords | HB-EGF / CD9 / インテグリン / 細胞接着 / 細胞増殖因子 / アポトーシス |
Research Abstract |
HB-EGFは、クラグスバーンらのグループによって見いだされた増殖因子である。可溶性の増殖因子として見いだされたが、その後の解析から膜結合型として合成される分子であることが明らがにされた。一方、膜結合型細胞増殖因子HB-EGFはジフテリア毒素リセプターとしても知られている。目加田は、ジフテリア毒素リセプターとして膜結合型HB-EGFの解析を進めてきた。本研究は、目加田のグループの研究成果とクラグスバーン博士の知見を総合して、HB-EGFによる細胞接着を介した細胞増殖調節機構(ジャクスタクライン機構)の解明を目的とするもので、今年は以下のような成果を得た。 (1) 膜結合型HB-EGFと分泌型HB-EGFの作用機構の違いを詳細に検討し、膜結合型HB-EGFはレポーター細胞の増殖を抑えアポトーシスを誘導すること、同様な実験条件で分泌型HB-EGFは全くアポトーシスを誘導せず増殖促進効果を示すことを示した。 (2) HB-EGFの生体での機能を明らかにするために、in situハイブリダイゼーションによってマウス胚におけるHB-EGF、CD9の発現を調べたところ、11.5-12.5日胚の肢芽の将来指間になる部分で両者の顕著な発現が認められ、アポトーシスを含む肢芽の形成過程にHB-EGF、CD9が関与している可能性が示唆された。 (3) HB-EGFとインテグリンα31β1はCD9が仲介することによって複合体を形成していると考えられる。そこで複合体におけるCD9の役割を解析するために、CD9ノックアウトマウスを作成した。 その結果、CD9(-/-)マウスは正常に生まれるが、生殖過程に重大な欠損が認められた。現在、HB-EGFやインテグリンとの関わりを含めて、詳細に解析中である。
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[Publications] Izumi, Y.: "A metalloprotease-disintegrin, MDC9/Meltrin-g/ADM9, and PKCd are involved in TPA-induced ectodomain shedding of membrane-anchored heparin-binding EGF-like growth factor." EMBO J.17. 7260-7272 (1998)
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[Publications] Tsuneoka, M.: "N-myc transactivates RCC1 gene expression in rat fibroblast cells transformed by N-myc and v-ras." J.Biochem.124. 1013-1019 (1998)
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[Publications] Umata, T.: "Diphtheria toxin translocation across endosome membrane. A novel cell permeabilization assay reveals new diphtheria toxin fragments in endocytic vesicles." J.Biol.Chem.273. 8351-8359 (1998)
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[Publications] 岩本 亮: "医学&サイエンスシリーズ 細胞接着のしくみと疾患" 羊土社, 7 (1998)