1998 Fiscal Year Annual Research Report
寧夏回族自治区における古代の民族と青銅器文化の考古学的研究
Project/Area Number |
09045017
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Research Institution | Shimane International College |
Principal Investigator |
横田 禎昭 島根県立国際短期大学, 国際文化学科, 教授 (50259561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 志虎 寧夏大学歴史系, 講師
韓 小忙 寧夏大学西夏研究所, 副研究員
犬塚 優司 島根県立国際短期大学, 国際文化学科, 講師 (20259568)
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Keywords | 北方系青銅器 / 寧夏回族自治区 / 固原博物館 / 寧夏大学 / 同心県-匈奴墓 / 中寧県-短剣墓 / 固原県 / 戦国時代泰の長城 |
Research Abstract |
平成10年7月21日広島発WH294便にて西安へ。22〜25日まで陜西歴史博物館および西安半坡博物館等を参観した。陜西歴史博物館では、数年前まで半坡遺跡や姜〓遺跡における発掘を実際に担当し、また、長年の友人である考古学者の高強氏(現在、陜西省文物交流センター副研究員)に会い、陜西省の主に北方地域の各地から出土した、博物館所蔵の北方系青銅器の資料を見せてもらうとともに意見交換を行なった。特に、神木県出土の黄金の怪獣等の資料の年代が前漢まで降ることが分かった。26日には寧夏の固原に向けて西安を発った。固原県城には、戦国時代の秦の長城が数キロにわたり現存しており、この長城に沿って青銅器が発見されている。長城は、北方騎馬遊牧民族へ対する軍事的な防衛施設であるが、その機能を維持するために要所々に接続する道路がある。始皇帝、漢の武帝が長安から西北方面へ回中道を通うで行幸している。この回中道が西安から固原へ抜ける道という説もあって、陜西から寧夏南部の固原地区に入るルートの踏査と黄土高原の地貌を実際に見ておく必要があった。固原では、固原博物館の羅豊副館長と昨年は、現地協力者として参加した延世忠氏(副館長に昇格)らと会い、意見交換とその後一年間に調査した遺跡についての情報を得ることができた。また、固原の北の同心県で漢代の匈奴墓地遺跡、中寧県では青銅短剣墓の遺跡を踏査した。銀川では、寧夏大学にて中国側責任者の韓小忙らと意見交換会を開いてデータの分析も含めて問題点を整理し、また、平成11年度の調査についての打ち合わせを行なった。8月10日呼和浩特に行き、内蒙古文物考古研究所および内蒙古博物館等を参観し北方系青銅器資料を見ることができた。特に、考古研究所では劉来学副所長、孫建華副研究員らと会い意見交換を行なった。25日上海に行き、上海博物館所蔵の北方系青銅器の資料を見学し、関連する資料他を収集し28日帰国した。
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