1999 Fiscal Year Annual Research Report
寧夏回族自治区における古代の民族と青銅器文化の考古学的研究
Project/Area Number |
09045017
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Research Institution | Shimane International College(The University of Shimane) |
Principal Investigator |
横田 禎昭 島根県立国際短期大学, 国際文化学科, 教授 (50259561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬塚 優司 島根県立国際短期大学, 国際文化学科, 講師 (20259568)
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Keywords | 北方系青銅器 / 青海省文物考古研究所 / 〓約文化 / 固原博物館 / 寧夏回族自治区 / 千家庄遺跡 / 楊郎遺跡 / 青銅短剣 |
Research Abstract |
平成11年7月22日広島空港から北京へ。23日北京空港から甘粛省蘭州へ移動。甘粛省博物館および考古研究所等を参観した。博物館では、甘粛省内から出土した青銅器資料をみることができた。その内のいくつかは寧夏回族自治区南部の固原地区から出土している青銅器に類似する資料のあることを確認した。25日蘭州を発ち西寧へ移動。酉寧では、青海省文物考古研究所の許新国所長を訪ね、青海省内の考古学的発掘と研究についての状況と青銅器についての意見交換および文献交換を行なった。 許氏は文物編集委員会編『文物考古三十年』の「青海省文物考古工作三十年」の執筆者であり、その日本語版『中国考古学三十年』(平凡社)の青海省の翻訳を私が担当していた縁で、一部未公表資料を含む多数の青銅器を実査する機会を得た。また、研究所保管の〓約文化に関する情報と青銅器資料が出土した墓葬は、寧夏の固原の北に位置する楊郎遺跡や干家庄遺跡に偏洞室墓と呼ばれる墓葬に類似するものであり、両者の間に何らかの関係のあることが感じられたことは大きな収穫であった。 27〜29日酉寧から蘭州を経由して寧夏回族自治区の固原へ移動。固原博物館では延世忠、羅豊副館長らと会い、青銅器に関する情報交換を行なった。そして昨年、発掘調査した未公表資料の青銅短剣等を実見する機会を得た。短剣は、まさしく北方系青銅器のジャンルに属する物で、片側であるが木製鞘の完全なるものがあった。木製鞘の出土は極めて稀なもので、この種の青銅短剣の鞘を考える上で大変貴重な資料と言える。8月2日固原での調査を終えて銀川へ移動。寧夏大学において共同研究者の韓小忙研究員、劉志虎講師らと研究討論会を行ない、問題点の確認、資料の分析等について意見交換を実施した。この後、石嘴山市、陶楽県、恵農県等の文物保管所収蔵の青銅器資料を調査した。これで寧夏全体をほぼ調査したことになる。
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Research Products
(1 results)