1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09102002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長田 義仁 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60007804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
グン 剣萍 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20250417)
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Keywords | ゲル / 運動素子 / 秩序-無秩序転移 / 摩擦 / 傾斜構造 / 刺激応答 / 架橋高分子 |
Research Abstract |
平成9年度は研究計画では二つの目標があった。一つは電子電導性高分子網目とイオン性膨潤ゲルとからなる電子・イオン両電導性ヘテロ構造ゲルの合成である。もう一つは傾斜構造を有し秩序無秩序転移で作動する運動素子の合成である。また,研究計画の他に,高分子ゲル表面における摩擦抵抗についても研究した。 a)電子電導性架橋高分子の合成 本研究ではいわば生体における神経組織に相当する刺激入出力素子を電子電導性架橋高分子で実現し、網目状微小電極として作用させようとする。具体的にはイオン性モノマーを含む水溶液中でチオフェン誘導体を電解重合し、電子電導性高分子網目を形成させた。次いで水溶性モノマーを適当な橋架け剤共存下でラジカル重合することによって、イオン性網目を収縮性膨潤体とする相互侵入型高分子網目の合成を試みた。これは相当に難度の高い合成で、特性測定ができるような大きさのサンプルがまだ得られていない。 b)傾斜構造を有し秩序-無秩序転移で作動する運動素子 本研究では細胞サイズの傾斜のかわりに高分子網目の大きさや網目の密度が厚さ方向に連続的に異なる傾斜型高分子ゲルを作製した。このゲルはpHの違いによってシャープに構造転移をし、可逆的変形を示すことが分かった。傾斜構造を導入したことによって、ゲルが速やかに外部環境に応答することができた。 c)ゲルの表面摩擦 低抵抗,高効率なゲル運動素子を実現するために、ゲル表面における摩擦抵抗が極めて重要である。本研究ではゲルの物理的、化学的構造とその摩擦抵抗との関連を調べた。その結果,ゲルの摩擦挙動が固体のそれと大きく違うことが明らかになった.固体と比べて,ゲルは非常に低い摩擦係数を示す.それはゲルを用いた生物の様な運動素子を構築することにあたって極めて重要であるのみではなく,学術的にも非常に興味のあることである. 平成9年度は本特別推進研究が発足した年度であり、時間が短いにもかかわらず、研究はほぼ計画通り順調に進んでいると考えている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] J.P.Gong: "Electrical Conductance of Polyelectrolyte Gels" J.Phys.Chem.B. 101. 740-745 (1997)
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[Publications] J.P.Gong: "Friction of Gels" J.Phys.Chem.B. 101. 5487-5489 (1997)
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[Publications] T.Narita: "Enchanced velocity of surfactant binding after the volume collapse of an oppositely chrged gel" Macromol.Rapid Commun.18. 853-857 (1997)
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[Publications] Y.Ueoka: "Chemomechanical Polymer Gel with Fish-like Motion" Journal of Intelligent Material Systems and Structures. 8. 465-471 (1997)
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[Publications] T.Narita: "Cooperative Binding of Surfactants with Solubilized Polymers and Networks" The Wiley Polymer Networks Gropu Review Series.1. 477-488 (1998)
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[Publications] 長田義仁: "人工筋肉とソフトマシーン" 遺伝. 51. 62-67 (1997)
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[Publications] 笠原優: "高分子ゲルの光学素子への応用" 光学. 26. 485-491 (1997)
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[Publications] 長田義仁: "ゲルハンドブック" エヌ・ティー・エス, 808 (1997)