1997 Fiscal Year Annual Research Report
M.ヴィグマンのスケッチの言語的側面に関する数量分析的研究
Project/Area Number |
09204227
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
朴 淳香 日本女子大学, 家政学部, 助手 (90257072)
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Keywords | 舞踊創作過程 / M.ヴィグマンのスケッチ / 数量化理論第III類 |
Research Abstract |
芸術表現は,感性的情報の領域として考えられており,その情報を享受する側も感性的資質でもって受け止められているというのが広く認められるところであった。本継続研究では,感性的情報を数量化し,舞踊(モダンダンス)の創作過程における創作者の作品意図へ数量分析によりアプローチしようとするものである.舞踊は特に,作品の再現性,残存性に乏しく,また「動き」という多面的要素により構成されているため,文字情報,数値情報としても代替が非常に難しい. マリ-・ヴィグマン(Mary Wigman, 1886-1973, Germany)が作品を創作している過程において描き残していたスケッチから「カルミナブラーナ」を分析対象として,ラバンのエフォートグラフを用いて,数量化理論第3類を適用し検討を進めた. 分析の結果は,動きの出現頻度は上位3つを挙げると,Knien(度数:13),stehen(10),schreiten(8)の順となり,キャストの出現頻度は上位3つを挙げると,Maedchen(27),Laeufer(18),Fortuna(17)となった.ヴィグマンの創作の特徴でもある群舞に主眼を置き,主となる構成要素として作品創作を進めていたことがわかる. また,数量化理論第3類の結果からはエフォートグラフの持つPositive,Negativeな大きく2分する側面のうち,この作品においては,Positiveな側面を持つ動きが,エフォートグラフ上で関連づけが強く示された.
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