1998 Fiscal Year Annual Research Report
スーパーバイオシステムの高次認識糖鎖分子による構築
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09240102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瓜生 敏之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80011005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 研一 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (70167584)
秋吉 一成 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90201285)
西村 紳一郎 北海道大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00183898)
小林 一清 名古屋大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10023483)
古川 清 東京都老人総合研究所, 生体情報部門, 室長 (10190133)
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Keywords | 糖鎖自動合成法 / ポリシアロガングリオシド / 人工複合糖鎖ポリマー / 両親媒性多糖 / 抗エイズウイルス作用 / 高分子コンジュゲート医薬 / 個体発生 / 植物主体防御 |
Research Abstract |
「スーパー糖鎖分子」の総括班として各班の計画立案と遂行および評価を行った。 A0l) 糖鎖の超精密合成を中心に研究した。糖鎖自動合成法、より高次の複雑な踏査構造の効率的精密合成、糖鎖ライブラリーの作成と生理活性糖鎖の大量合成、ポリシアロガングリオシドの高効率的構築法の開発、球状糖鎖の超精密合成、オリゴ糖鍵化合物の高次利用による糖鎖超分子の分子設計、種々の酵素を用いる糖鎖および糖脂質の合成、などが実行された。A02) 糖分子鎖集合体。糖鎖合成化学や高分子合成化学における最新の精密設計化学の成果を組み入れて研究を行った。人工複合糖鎖ポリマーの機能設計、糖鎖集積表面を持つ高分子ナノスフェアの合成、両親媒性多糖および両親媒性糖質高分子の会合挙動とその機能評価、糖分子鎖の精密構築と集合化、シクロデキストリンによる高分子の認識と超分子構造の構築、直接測定による糖鎖と生体分子との相互作用評価、などが研究された。A03) 糖鎖による生命分子制御。抗エイズウイルス作用を持つ硫酸化多糖・オリゴ糖の作用機構の解明、認識能を有する多糖誘導体をキャリヤーとした新規高分子コンジュゲート医薬の開発、水溶液系における糖質の分子認識、キチン・キトサンの生物活性発現機構の解明と機能賦与、生体内消化性へテロ多糖の生理機能化、新規生体構成多糖の構造決定、糖鎖型DNA配位子とDNAとの相互作用、HIV感染のセカンドレセプターを標的とした糖鎖のエイズ治療薬の開発、多糖誘導体による不斉識別とその機構の解明、などが実行され、成果を挙げた。A04) 高次認識糖鎖による細胞機能制御を中心に研究を遂行した。個体発生における糖タンパク質糖鎖の機能解析、神経回路網形成期の脳に存在するプロテオグリカン群の生理機能、植物生体防御におけるキチナーゼ誘導とキチン・キトサン糖鎖組成との関連性、微生物および細胞接着分子の糖鎖病理学的研究、細胞増殖因子を活性化する酸性多糖の構造と機能、腫瘍細胞の転移におけるインテグリンとガングリオシドの相互作用の解析、水面単分子膜を用いたガングリオシドの受容体機能の定量的解析、などが行われた。
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[Publications] T.Uryu et al.: "Synthesis of Sulfated Oligosaccharide Derivatives Carrying Azidothymidine (AZT)and Their Inhibitory Effects on AIDS Virus Infection in Vitro" Polym.J.30. 243-248 (1998)
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[Publications] T.Uryu et al.: "Synthesis of 3-Acetamido-3-deoxy-(1→5)-α-D-xylofuranan by Ring-Opening Polymerization of 1,4-Anhydro-3-azido-α-D-xylopyranose" Macromolecules. 31. 5572-5576 (1998)
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[Publications] S.-I.Nishimura et al.: "Convenient Fluorescence Probes for the Characterization of Glycosyltrnasferases Related to the Acrosome Reaction" Zygote. 6. 35-36 (1998)
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[Publications] K.Kobayashi et al.: "Synthesis of Artificial Glycoconjugate Polymers Starting from Enzymatically-Synthesized Oligosaccharides and Their INteractions with Lectins" J.Biochem.123. 715-721 (1998)
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[Publications] K.Kobayashi et al.: "Helical Stereoregular Artificial Glycoconjugate Polymers Based on Poly(phenylacetylene) Backbone" Chem.Lett.847-848 (1998)
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[Publications] K.Furukawa et al.: "Structural Study of the O-Linked Sugar Chains of Human Leukocyte Tyrosine Phosphatase CD45" Eur.J.Biochem.251. 288-294 (1998)
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[Publications] 西村紳一郎 ほか: "講談社サイエンティフィック" 生命高分子科学入門(印刷中), (1999)