1997 Fiscal Year Annual Research Report
生体内情報伝達機構解明を指向したホスファターゼ抵抗性リン酸化ペプチドの合成
Project/Area Number |
09249210
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大高 章 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20201973)
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Keywords | リン酸化 / リン酸化ペプチド / ペプチド合成 / 最終脱保護 / ホスファターゼ抵抗性 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
蛋白質のチロシン、セリン、スレオニン残基のリン酸化、脱リン酸化が生体内情報伝達系において重要な役割を果たしていることが明らかになるにつれ、近年生体内情報伝達機構解明のためのリン酸化ペプチド・タンパク質の需要が高まっている。このような観点より 『生体内情報伝達機構解明を指向したホスファターゼ抵抗性リン酸化ペプチドの合成』を遂行し以下のような実績をあげることができた。 1.すでにホスファターゼ抵抗性ホスホチロシンおよびホスホセリン誘導体としてF_2PmpおよびF2Pabの合成を完了していたので今年度はスレオニン誘導体(F_2Pmab)の合成を中心に研究を進めた。その結果、ランタノイド金属塩存在下、LiCF2P(OEt)2がニトロアルケンに共役付加する反応を利用することによりD/Lの混合物ではあるがF2Pmabの合成を完了させた。また本アミノ酸誘導体のペプチドヘの導入も行い、F2PmpあるいはF2Pab含有ペプチド同様High Acidic [1 M TMSOTf-thioanisole/TFA,m-cresol,EDT(ethanedithiol)]-Low Acidic[1 M TMSOTf-thioanisole/TFA,m-cresol,EDT+TMSOTf+DMS(dimethyl sulfide)]からなる二段階脱保護法がF2Pmab含有ペプチドの脱保護法に非常に有効であることを見出した。 2.前述の合成はD/Lの混合物の合成であったので、ヨウ化アルケニルに対するクロスカプッリング反応および不斉補助基を結合させた状態での水素化ならびにアミノ化反応を用いることにより立体選択的にF2Pmab誘導体を合成すべく現在検討を加えている。 3.これら合成法を応用して各種ホスファターゼ抵抗性リン酸化ペプチドの合成を行い、現在これら合成ペプチドの生理活性について検討を加えている。
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Research Products
(1 results)