1997 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦後国際化時代の地域形成と生活様式(グローカリズムの理念からみた地域活動の比較社会学的研究)
Project/Area Number |
09301008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
庄司 興吉 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30061203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 隆之 日本学術振興会, 特別研究員
犬塚 協太 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (00232520)
武川 正吾 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (40197281)
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Keywords | 国際化 / 地域社会形成 / 世界社会 / 沖縄 / インターネット / ヴァーチャル・リアリティ / グローカリズム / 民間団体 |
Research Abstract |
国際化における地域社会と世界社会との、国民国家を介した関係性を把握するために、これまでの理論的実証的研究を整理・総括しつつ独自の理論を打ち出すための研究会を重ねるとともに、北海道・札幌市、宮城県・仙台市、東京都、大阪府・大阪市、岡山県・岡山市、沖縄県・那覇市・名護市などの調査を行った。調査では地域の動きを把握するための関係方面への聞き取り調査と、世界社会の現状やそのなかでの日本と各地域の位置づけなどについて有識者の意見を聴取する有識者調査とからなる。その結果、今のところ、バブル期までに外国人労働者の流入などをふまえて進んだ実態面での国際化はどの地域でも停滞気味になり、かわってインターネットなどコミュニケーション面でのヴァーチャルな国際化が問題になっていること、そのなかでとくに沖縄では、冷戦後の基地問題処理を基礎に国際化と地域振興とをいかに絡ませるかが焦眉の急となってきていること、が分かってきている。沖縄の基地問題処理と発展計画については、県および関係自治体の意向と政策とともに日本政府の冷戦後世界認識をふまえた外交・経済社会発展政策が決め手になるので、それらの相互作用を東アジア諸国やアメリカの動きとの関連で躍動的に分析する必要がある。沖縄県の政策決定に大きな影響を与えている民間諸団体の活動とその背後にある人びとの生活様式あるいはグローカリズム、およびヴァーチャルなリアリティをつうじてそれらを支援する国内的・国際的諸団体の動きとその背後にある現代人の生活様式の変容が、日本政府の外交・防衛政策やアメリカ政府の世界政策にどのようなインパクトを及ぼすかによって、東アジアを焦点とする世界社会の形勢は大きく動く可能性がある。
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