1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09305047
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀬尾 眞浩 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (20002016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏見 公志 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (20271645)
安住 和久 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60175875)
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Keywords | メカノエレクトロケミストリ / ナノインデンテーション / 不働態皮膜 / 荷重-変位曲線 / 機械的性質 / 鉄 / チタン |
Research Abstract |
1. 水溶液中で電気化学計測と同時に材料表面微小部の荷重ー変位曲線をその場測定できる超小型電気化学セルを製作した。pH8.4のホウ酸塩水溶液中、電気化学的に制御された鉄単結晶(100)表面のナノインデンテーションをベルコビッチダイヤモンドチップを用いておこない、表面微小部の荷重ー変位曲線をその場測定することに成功した。 2. 荷重ー変位曲線より鉄単結晶(100)表面の剛さおよび硬さを電位の関数として求めた。 カソード還元された裸の表面で剛さは最も大きく、不働態領域で電位が増加するにつれて、剛さは減少した。一方、硬さは、不働態領域の電位0.2V(SEE)付近で最小となった。 3. pH8.4のホウ酸塩水溶液中、鉄単結晶(100)表面をナノインデンテーションした後、表面インデント部分の凹み形状の経時変化をAFMにより追跡した。最大荷重を増加させると、不働態領域の高電位側で凹みが時間とともに拡がり、不明瞭になった。このことから、インデント部分で不働態皮膜がブレークダウンして、再不働態化するまで鉄のアノード溶解が起こることが示唆された。 4. 種々の電解質水溶液中、多結晶チタン表面にアノード酸化物皮膜を形成させ、表面微小部の荷重ー変位曲線の測定よりアノード酸化物皮膜で覆われたチタン表面の硬さをアノード酸化電位の関数として調べた。いずれの電解質水溶液においても、表面硬さはアノード酸化電位の上昇とともに増加する傾向を示した。しかし、アノード酸化物皮膜のブレークダウンか起こる電位以上では、表面硬さは逆に減少した。表面硬さに影響を及ぼす因子として皮膜自身の硬さ,皮膜にかかる圧縮応力、表面粗度などが示唆された。今後、表面の機械的性質に及ぼす環境因子をより詳しく調べる予定である。
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Research Products
(1 results)