1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09306004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 正彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60162020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 正孝 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00270893)
嶋田 透 東京大学, 大学院・農学生命研究科, 助教授 (20202111)
永田 昌男 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70107407)
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Keywords | カイコ / 遺伝子導入 / オモクローム色素 / RAPD / 遺伝子量補正 / 3倍体 / 核多角体病ウイルス / 転座染色体 |
Research Abstract |
1.カイコへの遺伝子導入の際にマーカーとして利用すべく,オモクローム色素(卵の漿膜の色素)の生成に関わる遺伝子群のひとつである,キヌレニンモノオキシゲナーゼ遺伝子を単離し,塩基配列を決定した。またこの遺伝子が第10連関群に所属することを明らかにし,同連関群に座乗する第2白卵遺伝子や無翅遺伝子との組換え価を調査した結果,この遺伝子がカイコの卵色の突然変異である第1白卵の正常遺伝子である可能性が濃厚となった。 2.カイコのランダム増幅多型DNA(RAPD)や,既知の遺伝子を利用して,性染色体(Z染色体およびW染色体)や第10連関群の染色体の構造の解析を行った。 3.カイコのZ染色体上の遺伝子の発現量を雌雄で比較することによって,カイコにおいては,遺伝子発現の量補正が存在しないことを明らかにするとともに,人為的に誘発した3倍体のカイコにおいても,遺伝子の量にほぼ比例したmRNAが転写されていること確認した。また3倍体においては,2倍体にくらべて細胞の大きさは増大するものの数は少なくなっており,各器官や虫体の大きさには2倍体と3倍体の間で差が見られないことが判明した。 4.カイコ核多角体病ウイルスにおいて,多角体の形成に関する変異株や,感染状況に違いの見られる変異株について,原因遺伝子の単離および塩基配列の決定を行った。また,ウイルスに感染したカイコの体液に,ウイルスを不活化する効果があることを確認し,その因子およびその効果を阻害する因子について検討を行った。 5.W染色体上に転座染色体をもつカイコの限性系統から,転座染色体が再転座したものと思われる変異個体を複数分離し,それらの形質を支配する遺伝子のうち,第5連関群上のものを2つ,第6連関群上のものを1つ,第13連関群上のものを1つ,それぞれ確認した。それらの座位を調査した結果,常染色体の端に付着しているらしいことが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suzuki MG, Shimada T, Yokoyama T and Kobayashi M: "The influence of triploidy on gene expression in the silkworm, Bombyx mori."Heredity. 82・6. 661-667 (1999)
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[Publications] Katsuma S, Noguch Y, Shimada T, Nagata M, Kobayashi M and Maeda S: "Molecular characterization of baculovirus Bombyx morinucleopoly-hedrovirus polyhedron mutants"Archves of Virology. 144・7. 1275-1285 (1999)
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[Publications] Katsuma S, Noguchi Y, Ecale ZCL, Kobayashi M and Maeda S: "Characterization of the 25K FP gene of the baculovirus Bombyx mori nucleopolyhedrovirus : Inplications for post-mortem host degradation"Journal of General Virology. 80・3. 783-791 (1999)
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[Publications] Suzuki MG, Terada T, Kobayashi M and Shimada T: "Diapause-associated transcription of BmEts, agene encoding an EIS transcription factor homolog in Bombx mori"Insect Biochemistry and Molecular Biology. 29・4. 339-347 (1999)
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[Publications] Karube F and Kobayashi M: "Combinative stimulation inactivates sex pheromone production in the silkworm moth, Bombyx mori"Archives of Insect Biochemistry and Physiology. 42・2. 111-118 (1999)
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[Publications] Karube F and Kobayashi M: "Presence of eupyrene spermatozoa in vestibulum accelerates oviposition in the silkworm moth, Bombyx mori"Journal of Insect Physiology. 45・10. 947-957 (1999)