1998 Fiscal Year Annual Research Report
新しい咬耗センシング法による咀嚼機能と口腔形態の解析とその応用
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09309012
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
佐田 登志夫 豊田工業大学, 工学部, 教授 (80010594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 学而 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (60005064)
諏訪 元 東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (50206596)
本多 文洋 豊田工業大学, 工学部, 教授 (20005953)
吉澤 徹 東京農工大学, 工学部, 教授 (80020387)
江刺 正喜 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20108468)
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Keywords | 咬合力センサ / 咬耗測定 / 顎運動測定 / 咀嚼器官 / 咀嚼機能 |
Research Abstract |
歯科学、人類学、工学の3分野の研究者13人による咬耗、咀嚼機能、口腔形態の解析を総合的に研究を行う研究が二年目に入り、以下のような成果を得た。 (1) 咬合力、すベりセンサの開発(江刺)マイクロマシーニング技術により、義歯に咀嚼力、咀嚼時の歯の動きを測定するセンサを開発して取り付け、いろいろな食物を食べたときの咀嚼力と歯の動きを測定した。 (2) パターン投影法による顎運動の精密測定(吉澤)昨年開発した測定機を用いて、大学生および小学生、幼児の咀嚼時の顎の動きを3/100秒ごとに三次元的に測定することができた。 (3) 歯のマイクロ磨耗の測定方法の開発(本多、毛利)義歯にチタン被膜をスパッタリングし、EPMA法により咀嚼をくりかえしたときの特定点の摩耗の進行の測定を行った。また圧電素子を使い圧力をかけた状態で歯を少し移動させる磨耗試験機を造り、歯の形状変化から歯の磨耗の測定が可能であることを示した。 (4) 実験用義歯の試作(桑原、佐田)咬耗測定のための義歯を試作し、咬耗の測定を行った。 (5) 歯のエナメル質分布の測定(諏訪)昨年開発した歯のエナメル質の三次元分布の測定方法をさらに発展させ、歯冠部の表面積、投影面積、特定領域の体積の計測を可能とし、この方法を使って現代人の大臼歯のエナメル質の三次元分布の再構築を行った。 (6) 咬耗、頭蓋3次元構造間の関係解析(溝口)頭蓋の3次元構造と咬耗、脊椎の形態との関係を多変量解析により調査した。 (7) 類人猿とヒトの咬耗の比較(内田)現生および中新世化石ヒト上科の下顎臼歯形態の変異を分析した。 (8) 咬耗評価による咀嚼機能の臨床診断法の開発(伊藤、黒江)江刺の開発した咬合力、歯の動き測定センサを用いて、被検者の咀嚼時の咬合力、歯の動きを測定し、従来の顎口腔機能検査装置のデータとの比較により、より高い精度で測定できることをあきらかにした。 (9) 乳幼児の咀嚼器官の発育評価と食生活との関係(井上、坂下)幼児の口腔模型を採取し、咬耗に関する情報と咀嚼機能検査、食生活調査との関連を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 戸津健太郎、野崎浩一、玉詩男、佐田登志夫、黒江和斗、江差正喜: "歯の噛み合い力と相対位置検出センサシステム" 電気学会 物理センサ研究会. PS-98-15. 77-82 (1998)
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[Publications] Suwa G & Kono-Takeuchi R: "A refined method of measuring basal crown and cusp areas by use of a three-dimensional digitizing system" Anthropological Science. Vol.106(Suppl.). 95-105 (1998)
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[Publications] Mizoguchi, Y.: "Covariations of the neurocanium with the cervical, thoracic and lumbar vertebrae and the sacrum : Toward the solution of the brachycephalization problem" Bull.Nath.Sci.MUS., Tokyo, Ser.D. Vol.24. 19-48 (1998)
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[Publications] Mizoguchi, Y.: "Significant association between cranial length and sacral breadth : Toward the solution of the brachycephalization problem" Anthropological Science. Vol.106(Suppl.). 147-160 (1998)
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[Publications] R.Sakashita, N.Inoue, K.Watanabe M.Watanabe and T. Kamegai: "Electromyographic evidence for sufficient and insufficient developmental space in juvenile jaws" Orthodontic Waves. Vol.57 No.6. 409-416 (1998)
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[Publications] Mizoguchi, Y.: "Size variation and covariation among deciduous teeth. In : Human Dental Development, Morphology, and Pathology : A Tribute to Albert A.Dahlberg" J.R.Lukacs. University of Oregon, Eugene(分担執筆), 447 (1998)