2000 Fiscal Year Annual Research Report
仮想海上交通サービスセンタ(V-VTS)構想に基づく船舶航行支援システムの開発
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09355036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷川 和彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60106804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 功 日本郵船(株), 輸送技術研究員, 研究員
小林 英一 三菱重工業(株), 長崎研究所, 主務(研究職)
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Keywords | 船舶 / インターネット / 海陸通信 / 海上交通サービスセンタ / GPS / 船舶管理 / AIS |
Research Abstract |
平成10年度より行った研究の最終年度であり、仮想海上交通サービスセンタ(V-VTS)をコンピュータシミュレーションにより構築した。その構成は、海上交通流を再現する輻輳海域交通流シミュレーションシステム、各船舶に搭載されるパソコンシステムと両者間の通信機能からなる。 輻輳海域交通流シミュレーションシステムはサーバとしてワークステーションを使用し、その上に知識ベースシステムを構築した。知識ベースとしては航路や船舶に関する情報、オートパイロットや避航操船機能をもつ船長判断機能を用意し、統計的交通流自動発生システムを組み合わせ、任意の海域で任意の隻数の船舶を自動航行させることができる。 一方、船舶に搭載するパソコンはインターネットを通じてこのサーバと交信し、サーバ内に発生している複数の船〓の情報を取り込み、画面上にレーダのイメージとして表示し、それを見ながら操船できる一種のレーダシミュレータとして使用できる。 本システムの機能チェックを行うため、大阪湾を例に取り、いくつかのシミュレーションを行った。ひとつはAIS(船舶自動識別信号発生システム)の通信容量の推定、もうひとつは、大阪湾の代替航路計画の航行安全アセスメント、最後に船舶に搭載されるパソコンにおけるレーダ画面表示とそれを見ながら仮想的な船舶輻輳海域での操船シミュレータの基礎的機能確認を行った。その結果、仮想海上交通サービスセンタの実用性、有用性が認められた。さらにその応用として本システムの検証のため製作した輻輳海域交通流シミュレーションシステムは輻輳海域での航行安全アセスメントをはじめとして種々の評価ツールとして有効であることがわかった。 一方、実船における現在位置通信システムにおける種々の問題点を実用的な面から検討し、さらに、造船所から見た航行支援システムとしての適用性についても種々検討した。
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[Publications] Kazuhiko Hasegawa: "Feasibility study on intelligent marine traffic system"5^<th>IFAC Conference on Manoeuvring and Control of Marine Craft, (MCMC2000). 327-332 (2000)
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[Publications] 長谷川和彦: "仮想海上交通センターによる航海支援システム"関西造船協会会誌. (発表予定). (2001)
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[Publications] 長谷川和彦: "輻輳海域シミュレータによる代替航路評価"関西造船協会会誌. (発表予定). (2001)