1997 Fiscal Year Annual Research Report
ユネスコ「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言案」の調査・研究
Project/Area Number |
09400002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
位田 隆一 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40127543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 健一 九州大学, 法学部, 助教授 (20264004)
中村 祐輔 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70217909)
吾郷 真一 九州大学, 法学部, 教授 (50114202)
上田 國寛 京都大学, 化学研究所, 教授 (00027070)
前田 達明 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00025149)
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Keywords | ヒトゲノム / 人権 / 生命倫理 / ユネスコ / 遺伝子医療 / 研究の自由 / クローン / 人類の遺産 |
Research Abstract |
本年度は、ユネスコ国際生命倫理委員会(IBC)作成のヒトゲノム宣言案についてのアンケートを行い、宣言案についての我が国の関係者の意見の集約、ユネスコで最終的に採択された「ヒトゲノム及び人権に関する世界宣言」の内容の検討、並びに採択後の宣言のインプリケーションと立法をも含めた国内措置の可能性の検討を行った。 まず、昨年5月末から7月にかけてヒトゲノム研究、医学、生命倫理学、医事法学等、国内で直接及び間接にヒトゲノムの研究と応用に関与し又は関連問題に関心をもつ個人や団体に、IBCの「ヒトゲノム宣言案」についての意見を求めた。合計1,102通を発送した内、351通の回答(回答率は31.9%)があったが、きわめて多くの意見記入があり、関心と懸念の深さが顕著である。アンケート結果については報告書を作成し、記名回答者及び関係機関、団体に送付した。 寄せられた回答によれば、(1)個別の条項について若干の意見対立があるが、全体にはかかる宣言の採択を指示していること、(2)これを機会に我が国も立法化を含めた何らかの基準決定が必要であること、(3)研究の自由は確保するべきであるが、人間の尊厳や人権に反するような研究とその応用は規制すべきこと、(4)ヒトのクローン個体の作製は禁止すべきことなどが明らかである。 宣言そのものについては、適宜研究会や意見交換を行い、また関係者からも意見を聴取した。その成果の一部は、位田が『遺伝子医学』に発表した他、ゲノム公開シンポジウムや九州大学で講演や講義を行った。各分担者も適宜担当部分の研究を進め、その成果の発表を準備中である。
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Research Products
(1 results)