1997 Fiscal Year Annual Research Report
埋蔵文化財発掘作業の生体負担解明とその対策に関する研究
Project/Area Number |
09400013
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
井奈波 良一 岐阜大学, 医学部, 助教授 (10168411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (70264877)
宮下 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
鷲野 嘉映 岐阜大学, 医学部, 助手 (90220855)
高田 晴子 岐阜大学, 医学部, 助手 (90273143)
岩田 弘敏 岐阜大学, 医学部, 教授 (20021371)
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Keywords | 埋蔵文化財発掘作業 / 生体負担 / 労働安全・衛生管理 / 作業環境 / 血圧 / 心電図 / 労働災害 |
Research Abstract |
文化庁記念物課と協議し、平成9年12月12日付けで全国47都道府県教育委員会埋蔵文化財行政担当課に対し、埋蔵文化財発掘作業員の労働安全・衛生管理に関するアンケート調査を実施した。アンケートの内容は発掘作業員数、産業医の選任状況、安全・衛生委員会の実施状況、健康診断の実施状況、労働災害発生状況、夏期と冬期の発掘作業を快適に行うための工夫、等で、大部分の都道府県教育委員会担当課から回答を得、現在、コンピューターに入力、統計解析中である。1年で最も寒い時期にあたる平成10年1月20日〜22日の3日間、岐阜県関市の発掘現場において備品として購入したWBGT計と風速計を用いて、発掘現場の作業環境測定を経時的に行った。3日間の天気は概して曇り時々晴れで、作業開始時の気温の平均は3.7℃であり、最高気温の平均は8.5℃であった。現場のWBGTの最高値の平均は8.2℃であった。休憩場所として使われているテント内の最高気温の平均は13.2℃しかなく、WBGTの最高値の平均は11.7℃であった。冬期の発掘作業の生体負担を明らかにするために平成10年2月18日〜19日の2日間にわたって50歳代、60歳代の11名の男性発掘作業者を対象に、備品として購入した携帯型自動血圧心拍計を用いて、血圧・心電図の変化を観察した。その結果は備品として購入したパソコンを用いて解析中であるが、対象者ごとにみてみると、特に午前中の発掘作業時に血圧が上昇する者がみられ、心拍数も作業中上昇し、休憩中下がるという結果がみられた。この他、作業開始前後で自覚症状調査、姿勢の変化、手・足の皮膚温、加速度脈波、等の測定を行い、現在解析中である。
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