伊藤仁斎・東涯の諸稿本に関する総合研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09410009
• Research Institution: Waseda University
• Principal Investigator: 土田 健次郎 早稲田大学, 文学部, 教授 (00120923)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 丸谷 晃一 中部大学, 人文学部, 助教授 (50279999) ; 沢井 啓一 恵泉女学園大学, 人文学部, 教授 (50154141) ; 黒住 真 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (00153411) ; 野村 真紀 北海道大学, 法学部, 助教授 (80271617) ; 遠山 敦 三重大学, 人文学部, 助教授 (70212066)
• Keywords: 伊藤仁斎 / 伊藤東涯 / 林本 / 論語古義 / 古義堂 / 古義学 / 古義堂文庫 / 古学

Research Abstract

前年度までに天理図書館の古義堂文庫所蔵資料を軸に収集した伊藤仁斎の稿本、写本、版本の焼き付けの検討を行い、その結果、伊藤仁斎の全集を編集する場合には、林本(林景范筆写本)を軸にするのがもっとも合理的であることを再確認した。既にとりかかっていた林本を中心とした仁斎の主要著作のデータベース化については、今年度は集中的に進捗させることができた。『大学定本』、『中庸発揮』、『論語古義』、『孟子古義』、『語孟字義』、『童子問』は一次入力をおえ、校正も最終段階にさしかかりつつある。また新たに『古学先生文集』、『古学先生詩集』全文の入力作業を開始した。なおこれらの資料にあるかなりの量の書き込みなど処理については、引き続き検討中である。予備作業を進めていた仁斎・東涯研究文献目録のデータベース化については、本作業にとりかかり、一部は試行版としてインターネットで公開した。これは統一方針を定め、それによって新たにキーワードを採録し、また明治以後の翻刻や訳注類も加えたもので、研究者に対する実質的な便宜をはかっている。収録件数の多さでも先行の目録をはるかにこえる予定である。仁斎の代表作『論語古義』の校注や訳注各種のサンプルを作成、その一部を発表した。これらは将来の全集刊行のための検討材料になるものである。仁斎全集刊行の際の資料利用の許可を得るため天理図書館を訪問、責任者と具体的な折衝を行った。その時は、メンバー2名・作業補助者1名に加えて出版社の編集者も同行し、具体的可能性を多角的に討議した。

Research Products

• [Publications] 土田 健次郎: "伊藤仁斎的易学"中国哲学新論. 230-238 (1999)
• [Publications] 丸谷 晃一: "伊藤仁斎における「性善論」の構造"中部大学人文学部研究紀要. 1. 171-204 (1999)
• [Publications] 丸谷晃一,片岡龍: "伊藤仁斎の訓読法と『論語古義』の成立過程に関する研究(一)"人文学部研究論集. 3. 199-216 (2000)