2000 Fiscal Year Annual Research Report
戦後転換期における中野重治の文学と思想の基盤的研究-6070年代の日記を中心に-
Project/Area Number |
09410117
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
満田 郁夫 明治学院大学, 文学部, 教授 (50062138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 珪一 金沢大学, 経済学部, 教授 (50019262)
木村 幸雄 大妻女子大学, 文学部, 教授 (50007291)
杉野 要吉 早稲田大学, 教育学部, 教授 (80079417)
古江 研也 熊本電波高等専門学校, 助教授 (90141960)
島村 輝 女子美術大学, 芸術学部, 教授 (90216078)
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Keywords | 中野重治の文学 / 中野重治 / 中野重治と戦後転換期 / 中野重治の思想 / 中野重治戦後日記 / 中野重治宛諸家書簡 / 中野重治書簡 |
Research Abstract |
1998年度迄に日記を一通り見終わったので、1999年度からもう一度本文を見直すこと、註の項目立てを全員行い、それを元に全員が分担して註を書き、それを集成することを始めた。毎月末の土曜日曜に或いは臨時に合宿研究会を開いて、最も特徴が明らかである1963年日記から始め、本年度の夏前までに1973年までの十一年間の日記本文の見直し、その分項目立て、と分担、インターネットによる註の交換、脚註、人名註、花項目などの分類、整理が行われた。そこでその作業を一旦止めて、寄せられた註の再検討を始めたところ、これが思わぬ大仕事であることに気づいた。手分けして、国会図書館、日本近代文学館などに通い、諸方に電話を掛けて、確かめるが、何処まで行ってもはてしのない仕事であることが分った。そこで、今年度秋からは1963年日記と1964年日記とに限定して、毎月末土曜日曜の合宿研究会では、それまでの到達を示す日記本文・脚註・補註・人名註のコピーを用意し、その各月ごとの束を回覧し、各自が調べてきたことを基に註を書き、あるいな書き換える、という作業を繰返した。63年日記については、このやうにして完成に近づいている。これを更に続けて、来年度中に1963年64年日記をテスト版として少部数印刷し、その後、本研究の研究期間から外れるが、これにならって作業を進めて、日記全体の公刊を果たしたいと思う。 中野重治書簡の蒐集、解読して、打ち込み、註附けは継続して進めている。その一部は『梨の花通信』に発表した。 中野重治宛諸氏書簡は平成七年に遺族から借用してある。すでに学生アルバイトによって、一覧表の作成、コピーを終えた。その整理を続け、一部は『梨の花通信』に発表した。 また、同じく遺族から借り受けた未整理資料の整理を続けた。これらは日記の註にも活用されている。
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