1999 Fiscal Year Annual Research Report
神岡鉱山深部断層水中のラドン濃度観測による地震前兆現象の研究
Project/Area Number |
09440104
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田阪 茂樹 岐阜大学, 教育学部, 教授 (60155059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 正也 岐阜大学, 教育学部, 助手 (80281046)
佐々木 嘉三 岐阜大学, 教育学部, 教授 (40021307)
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Keywords | ラドン / 地下水 / 地震予知 / 湯量 / 泉温 / ラドン検出器 / 活断層 / World Wide Web |
Research Abstract |
神岡鉱山内「茂住」と、福井県「和泉」は、地震にともなう地下水の変化が観測される可能性があり、本科学研究経費で施設整備した観測地点である。岐阜県における地下水中ラドン観測地点はこれらを合わせて、全体で20箇所の観測点となる。平成10年4月から平成11年9月の観測期間において、岐阜県及びその周辺地域の、岐阜県神岡町「割石温泉」、福井県和泉村「平成の湯」、岐阜県養老町の3つの観測地点で、地震に伴う地下水の湯量・泉温・ラドン濃度の変動の観測データを捉えることができた。 平成10年8月7日14時頃から長野・岐阜県境で群発地震が発生した。「割石温泉」観測点で、この群発地震の起こる約8時間前に泉温が約1.0℃低下し、湯量も約3週間前から毎分59から55.6lまで減少した。この観測結果は、降雨の影響ではないかと検討したが、群発地震の前兆現象である可能性が高いと結論される。引き続いて、群発地震で最大のマグニチュード5.4の地震が8月16日3時31分に岐阜県飛騨地方で発生した。この地震発生に伴って、湯量が毎分57から79lに急増し、泉温が1.5℃上昇した。ラドン濃度は地震前の減少傾向から、地震後に増加し始めた。また、地震の前後での湯量データの潮汐解析結果から、地震の前後で潮汐成分の位相と振幅に変化がある事が判明した。これは地殻の体積歪みの変化を意味するものである。割石温泉におけるこれらの観測結果は、過去20年の湯量観測の結果を確認するとともに、今後の地震予知につながる貴重な観測データであると評価される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 高田広彦、田阪茂樹、佐々木嘉三 他: "岐阜県割石温泉における地下水の観測"岐阜大学教育学部研究報告=自然科学=. 24・2. 70-77 (2000)
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[Publications] 松原正也、田阪茂樹、佐々木嘉三: "World Wide Webを用いた地下水地ラドンデータ表示システムの構築"岐阜大学教育学部研究報告=自然科学=. 24・2. 41-46 (2000)
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[Publications] 佐々木嘉三、野上英一、田阪茂樹: "岐阜県上宝村地滑り地帯における地下水中ラドン濃度測定"岐阜大学教育学部研究報告=自然科学=. 24・2. 15-21 (2000)
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[Publications] Y. Takeuchi et al: "Development of high sensitivity radon detectors"Nuclear Instruments and methods in physics Research. A421. 334-341 (1999)
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[Publications] H. Ui, S. Tasaka, M. Hayashi, K. Osada: "Prelimirary Results from Radon Observation at SYOWA station, Antarctica, during 1996."Polar Meteorology and Glaciology. No.12. 112-123 (1998)