1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440203
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小柳 元彦 琉球大学, 教育学部, 教授 (00037201)
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Keywords | トライボルミネッセンス / 窒素の中性カチオン分子の発光 / 静電気発生 / 放電発光 / 液体水銀の発光 |
Research Abstract |
機器の調整と実験条件設定のためにかなりの時間を要したが、最近になって漸く全体的な現象の把握ができるようになってきた。以下に、判明したこと、問題点や公表について箇条書きにして記す。 (A) 判明していること: (1)多くの芳香族アルデヒド固体で見出されているトライボルミネッセンスの主要部は、周辺気体による放電発光である。つまり、窒素分子のいわゆる2nd positive bandsと窒素分子カチオンの発光であることがはっきりと判った。多分、われわれが検出したスペクトルは今までに報告されているどのスペクトルよりも解像力がよく、疑いない発光種の同定を可能にした。 (2)結晶の崩壊によってセルの壁から離れた部分でも一部発光は生じているのであるが、多くはセルガラス面と結晶の間で発光が生じていることが判ってきた。 (3)ある種の金属液体とガラスの間でも摩擦発光を起こせることが判明した。この発見は、この研究のこれからの発展に大いに寄与できると考えている。 (B) 問題点: (1)背景として出てくる弱い発光種の同定や実験条件との関連が、未だ明確にできていない。 (2)発光主要部を占める結晶や金属液体とガラスの間の正・負の関係や大きさの詳細が未だ決められていない。この確立が目下のところ、最も大きな残された課題である。 (C) 公表: (1)現象論的には、面白い発光現象を生徒や学生に呈示することができるようになっている。「理科は面白い」というテーマで主に中学生を対象に、渡嘉敷島にある国立青年の家に24名の中学生と父兄を集めて昨11月に、実験と講話をし、この8月には化学会主催の化学典で同様の実験と講話をする予定である。 (2)論文公表は、現象論的なところだったら、いくつか準備しているが、問題点(B)を詰めた段階での公表がベストと考えている。しかし、これがクリアーできないなら、現時点では現象論として公表することも、ベターな方策として仕方ないかと考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Koyanagi: "Tribo-chemistry" Conference Booklet for 12^<th> International Conference on Photochemical Conversion and Storage of Solar Energy(Berlin,Germany). 3W98 (1998)
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[Publications] 漢那哲二・小柳元彦: "セロハンシートの複屈折性を利用してさまざまな色を作る" 化学と教育. 47・3(印刷中). (1999)