1998 Fiscal Year Annual Research Report
転移因子により生じた変異細胞胞株を用いた分化発現制御に関わる遺伝子の解析
Project/Area Number |
09440264
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小関 良宏 東京農工大学, 工学部, 助教授 (50185592)
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Keywords | ニンジン / 植物培養細胞 / 培養変異 / 転移因子 / 二次代謝系 / アントシアニン |
Research Abstract |
ニンジン培養細胞において,ストレス特異的に発現するphenylalanine ammonia-lyase遺伝子のプロモーター領域に転移因子Tdc1が挿入されていることを見い出した。さらにTdc1はニンジン核ゲノム内に最低20コピー以上存在しており,Tdcファミリーとして多量遺伝子を形成していること,しかもこのうちTdc1はこのトランスポゾンの移転・挿入に必要とされる2つのtransposasesのうち1つのみを有しており,その中の塩基配列が欠失していることから非自律性因子であることがわかった。そこで,欠失を起こしていない全長をコードしている自律性因子であるTdcマスター因子の単離を行った。その結果,Tdcファミリーは少なくともTdc-A,Tdc-B,Tdc-Rの3つのサブ・ファミリーに分かれていること,その中で,2つのtransposasesをコードしているものはTdc-Aサブ・ファミリーのみに見られ,Tdc-BおよびTdc-Rにおいては2つのtransposasesをコードしているものは存在しないことを見い出した。さらに培養細胞として継代培養している細胞群においてはTdc-BおよびTdc-Rの転移は見られず,これらは植物培養細胞系として確立されるよりも前,ニンジン植物体として進化してきた過程の中でTdc-Aからの転移が起こり,その転移の際に欠失が起こり,そのまま転移できない因子としてニンジン核ゲノムに存在してきたものと考えられた。一方,Tdc-Aは植物培養細胞内で活発に転移しており,しかもTdc1同様に転移の際にその中の塩基配列が欠失するために,培養細胞系というフラスコの中の細胞群の中で多様化していること,すなわちキメラ化していることを見い出した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mato,M: "Isolation and characterization of a cDNA clone of UDP-galactose:flavonoid 3-0-galactosyl transferase (UF3GaT) expressed in the seedling of Vigne mungo." Plant Cell Physiol.39. 1145-1155 (1998)
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[Publications] Inagaki,Y: "Genomic organization of the genes encoding dihydroflavonol 4-reductase for flower pigmentation in the Japanese and common morning glories." Gene. (印刷中). (1999)