1997 Fiscal Year Annual Research Report
炭化ホウ素基複合セラミックスの高温熱電変換材料としての応用
Project/Area Number |
09450255
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60125549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 立東 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90280883)
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Keywords | 炭化ホウ素 / 炭化ケイ素 / ホウ化チタン / 熱電性能 / 複合セラミックス / 共晶反応 / 耐酸化性 / 性能指数 |
Research Abstract |
1200K以上の超高温域で熱電性能が高い炭化ホウ素(B_4C)は有望な材料であるが、本研究では、複合化によって微細構造を制御することにより、その熱電特性を向上することをを目的とした。p型の熱電材料として比較的高い性能を有し、耐酸化性の向上にも効果的な炭化ケイ素(SiC)をB_4Cと複合化することに着目した。まず、炭化ケイ素と炭化ホウ素の相関係を調べ、それらの相間の熱力学反応を利用して材料の微細組織を制御することを試みた。SiC40〜50mol%付近で典型的なラメラ状の組織が認められ、SiC-B_4C系が、擬二元共晶系であることを明らかにした。SiC量が20〜70mol%の試料の熱電性能は、いずれも温度の上昇とともに上昇するが、特に、SiC40mol%の試料が最大の性能を有し、1100KでZT=0.1以上になった。従来のホウ化物は、耐酸化性が低く、1000K以下で容易に酸化するのが問題であったが、SiC添加により、著しく耐酸化性が向上することを確認した。さらに、B_4Cと複合化する材料は、より電気伝導性の高いものが有効であるという知見が得られたので、TiB_2を複合化することを試みた。B_4C-TiB_2系の相関係を調べ、TiB_2が15〜25mol%付近で典型的なラメラ状の組織が認められ、TiB_2-B_4C系が、擬二元共晶系であることを明らかにした。TiB_2量が2〜30mol%の試料の熱電性能は、いずれも温度の上昇とともに上昇するが、特に、TiB_2量が6mol%の試料が最大の性能を有し、1100KでZT=0.5以上に達し、ほぼ実用化のレベルであることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 陳 立東: "アーク溶解法で作製したケイ化ホウ素セラミックスの微細組織と熱電特性" 粉体および粉末冶金. 44巻1号. 55-59 (1997)
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[Publications] 後藤 孝: "溶解法によるB_4C-TiB_2系複合セラミックスの作製とその熱電特性" 粉体および粉末冶金. 44巻1号. 60-64 (1997)
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[Publications] 陳 立東: "ガラス被覆したPbTeの高温酸化" 粉体および粉末冶金. 44巻7号. 653-657 (1997)
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[Publications] 李 剣輝: "アーク溶解法により作製したB_4C-SiB_n-Si系複合セラミックスの微細組織と熱電特性" 日本セラミックス協会学術論文誌. 106巻2号. 194-197 (1997)
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[Publications] T.Goto: "Measurements of the Seebeck Coefficient of Thermoelectric Materials by an AC Method" International Journal of Thermophys. 18巻2号. 569-577 (1997)
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[Publications] T.Goto: "Thermolelectric Properties of B_4C-Based Composite Ceramics Prepared by Arc-Melting" Proceedings of 11th International Conference on Composite Materials. 603-612 (1997)