1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09460029
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑野 栄一 九州大学, 農学部, 教授 (00108672)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩月 孝博 蚕糸, 昆虫農業技術研究所, 主任研究官
田村 廣人 名城大学, 農学部, 講師 (90267972)
|
Keywords | 幼若ホルモン / 変態 / 昆虫培養細胞 |
Research Abstract |
抗幼若ホルモン活性物質のスクリーニング法として、蚕の早熟変態誘起活性を指標として検索し、その活性が幼若ホルモンアゴニストであるメソプレンによって抑制されるかどうか検討した。その結果、1-オクチル-5-(2-アリールオキシフェニル)イミダゾール(MM-11)が強い早熟変態誘起活性を示し、その活性がメソプレン及び脱皮ホルモンアゴニストであるテブフェノチドによって打ち消されること、また、MM-11を高薬量処理した場合、テブフェノチドでは拮抗されないことを見いだした。また、6-(4-プロピルフェノキシ)-2-(3-ピリジル)-2-ヘキセンによって誘導される早熟変態がテブフェノチドで打ち消されず、メソプレンで回復することを明らかにしている。 昆虫培養細胞IPLB-Sf21 AEII(Sf21)の増殖や形態に対する昆虫ホルモン関連物質の影響を検討した。メソプレンは低濃度で細胞の増殖を促進し、テブフェノチドは濃度の上昇とともに増殖を阻害したことから、この細胞は幼若ホルモンの拮抗物質をスクリーニングする系として有効であることを明らかにした。 幼若ホルモンアゴニストの部分構造を持つアミンを合成し、これをビオチンに結合させた誘導体を調製した。この幼若ホルモン様構造に特異的に親和性を有する部位の検索を行うため、蚕の脳、前胸腺、表皮などの器官をビオチン誘導体とともに培養し、免疫組織化学による方法で検出した。その結果、4齢後期から終齢中期の前胸腺の一部が陽性を示した。
|