1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09460144
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60163804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亘 敏広 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50220950)
長谷川 篤彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90011923)
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Keywords | ネコ免疫不全ウイルス / ワクチン / ウイルス増殖抑制剤 / ケモカイン / サイトカイン / アポトーシス / エンベロープ蛋白 / 抗酸化剤 |
Research Abstract |
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)の日本分離株のうち、サブタイプA,B,C,Dの各1株のenv遺伝子を発現ブラスミドベクターに組み込み、大腸菌での蛋白の発現を行った。これらFIV Env蛋白は、感染ネコ血清によって認識され、FIVワクチンの基盤材料として利用できることが示された。FIVの増殖を阻害する薬剤を選定するため、シクロスポリン、タクロリムス、プロテアーゼ阻害剤(MK-639)についてFIV感染リンパ系細胞を用いて検討したところ、FIV増殖阻害効果はシクロスポリンおよびタクロリムスに認められ、MK-639には認められなかった。つぎにケモカインによるFIV増殖抑制効果を検討したところ、ネコのリンパ系細胞を用いた系では、FIV増殖抑制効果は、β-ケモカイン(MIP-1α,MIP-1β,RANTES)には存在せず、α-ケモカイン(SDF-1β)に存在することが明らかとなった。また、サイトカインのIL-10およびIL-12についても同様の検討を行った結果、FIV増殖抑制効果はIL-10には認められなかったが、IL-12の添加によって用量依存的に認められた。このことから、FIV増殖抑制剤として、シクロスポリン、タクロリムス、SDF-1βおよびIL-12が有望と考えられ、今後これらを感染ネコに臨床応用できるよう検討する予定である。また、FIV感染によるアポトーシスを抑制する薬剤を選定するため、抗酸化剤について検討したところ、N-アセチルシステインおよびアスコルビン酸にアポトーシス抑制効果があることが見いだされ、これら抗酸化剤によってFIV感染症における免疫不全症の進行を抑制できる可能性があることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Endo,Y., et al.: "Molecular characteristics of malignant lymphomas in cats naturally infected with feline immunodeficiency virus." Veterinary Immunology and Immunopathology. 57. 153-167 (1997)
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[Publications] Mizuno,T., et al.: "Apoptosis euhanced by soluble factor produced in faline immunodeficiency virus infection." Journal of Veterinary Medical Science. 59. 1049-1051 (1997)
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[Publications] Endo,Y., et al.: "Molecular cloning of feline CC-chemokine cDNAs." Veterinary Immunology and Immunopathology. (印刷中). (1998)
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[Publications] Cho,K.W., et al.: "Assignment of feline immunoglobulin heavy chain gene to chronosome B3q26 and T'cell receptor gamma chain gene to A2q12-q13." Cytogenetics and Cell Genetics. (印刷中). (1998)
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[Publications] Cho,K.W., et al.: "Cloning and mapping of cat (Felis catus)immunoglobulin and T-cell receptor genes." Immunogenetics. (印刷中). (1998)
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[Publications] Mizuno,T., et al.: "Molecular cloning of feline Fas autigen and Fas ligand and their expression in feline immunodeficiency virus infection." Veterinary Immunology and Immunopathology. (印刷中). (1998)