1999 Fiscal Year Annual Research Report
摂食で遊離される酸性線維芽細胞増殖因子の学習・記憶、内分泌及び免疫系に対する作用
Project/Area Number |
09470015
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
佐々木 和男 富山大学, 工学部, 教授 (60042826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 章 富山大学, 工学部, 助手 (40236849)
川原田 淳 富山大学, 工学部, 助教授 (80195164)
磯部 正治 富山大学, 工学部, 教授 (70211050)
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Keywords | 線維芽細胞増殖因子 / 学習・記憶 / 老化促進モデルマウス / 免疫 |
Research Abstract |
平成11年度の研究における研究実績は以下のとおりである。 1.老化促進モデルマウス(SAMP8)の海馬長期増強に対するaFGFの作用:海馬のSchaffer側枝を頻回刺激すると錐体細胞層で記録されるポピュレーションスパイクの振幅が長期にわたり増強される。SAMP8の海馬ではこの長期増強の程度は対照のSAMR1に比べ有意に低い。そこで、SAMP8に生後4週目からaFGFを10ヶ月間にわたり腹腔内投与し、その後長期増強の程度を調べた。その結果、SAMP8の長期増強の程度はSAMR1と同程度であり、長期増強の低下がaFGFにより阻止されていることが判明した。2.弓状核ニューロン活動に対するレプチン及びオレキシンの作用:摂食促進物質であるNPYを産生する弓状核腹内側部ニューロン活動に対するレプチン及びオレキシンの作用を調べた。その結果、レプチンはこれらニューロン活動を抑制し、一方オレキシンは促進することが明らかになった。したがって、レプチンによる摂食抑制作用並びにオレキシンによる摂食促進作用の一部に弓状核NPYニューロンが関与していることが示唆された。3.レプチン及びオレキシンの学習・記憶に対する作用:受動的回避学習並びにモリス水迷路学習でレプチン及びオレキシンの学習・記億に対する作用を調べた。その結果、レプチンのラット腹腔内投与により学習・記憶が促進されること、またオレキシンの脳室内投与によりモリス水迷路学習で学習・記憶が低下することが明らかになった。4.マクロファージに対するオレキシンの作用:マクロファージにオレキシン-Bを投与したところK依存性の外向き電流が誘発されることが判明し、オレキシンがマクロファージの機能を修飾することを示唆する結果を得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takemasa Shiraishi: "Leptin effects on feeding-related hypothalamic and peripheral neuronal activities in normal and obese rats"Nutrition. 15. 576-579 (1999)
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[Publications] Kazuo Sasaki: "Effects of acidic fibroblast growth factor fragment analog on learning and memory and on medial septum cholinergic neurons in"Neuroscience. 92. 1287-1294 (1999)
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[Publications] Ai-Jun Li: "Protective effect of acidic fibroblast growth factor against ischemia-induced learning and memory deficits in two tasks in gerbits"Physiology & Behavior. 66. 577-583 (1999)