1999 Fiscal Year Annual Research Report
免疫グロブリン遺伝子の体細胞突然変異により生じる自己反応性B細胞の制御機構の解明
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09470092
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鍔田 武志 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80197756)
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Keywords | 自己反応性B細胞 / 自己抗体 / 体細胞突然変異 / CD40 / CD40L / SLE / トランスジェニックマウス / 抗DNA抗体 |
Research Abstract |
昨年度樹立したCD40リガンドをB細胞で異所性に発現するCD40Lトランスジェニックマウスにおける自己トレランスの異常についてさらに検索するために、Martin Weigert博士らが樹立した抗DNA抗体トランスジェニックマウスとCD40Lトランスジェニックマウスの交配を行なった。Martin Weigert博士らの抗DNA抗体トランスジェニックマウスのうち3H9はB細胞が低親和性抗DNA抗体を発現するが、主にクローン麻痺により自己トレランスが保たれる。一方、56Rは高親和性抗DNA抗体を発現し、主にクローン除去により自己トレランスが保たれる。3H9と交配したCD40Lトランスジェニックマウスでは血清中の自己抗体価の上昇は認めず、自己トレランスには異常は無いと考えられた。一方、56Rと交配したCD40Lトランスジェニックマウスでは血清中の自己抗体価の上昇がおこり、また、クローン除去に異常があることが明かとなった。これらの結果から、CD40LのB細胞での異所性発現によりB細胞自己トレランスの破綻がおこることが明かとなった。全身性エリテマトーデス患者やそのモデルマウスBXSBにおいて、CD40LのT細胞での過剰発現やB細胞での異所性発現が示されているが、これらがB細胞自己トレランスの異常をおこすことにより、自己免疫疾患発症に関与することが示唆される。さらに、CD40LのB細胞での異所性発現が、56Rでは自己トレランスの異常を引き起こすが、3H9での自己トレランスには異常をおこさないことから、CD40Lによる自己トレランスの破綻には、自己反応性B細胞が体細胞突然変異により自己抗原への高い親和性を獲得する必要があることが明かとなり、自己抗体産生の際の体細胞突然変異が自己トレランスの破綻の際に何らかの役割を果すことが明かとなった。
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[Publications] Hagiyama, H.: "Signaling through the antigen receptor of B lymphocytes activates a p53-independent pathway of c-Myc-induced apoptosis."Oncogene.. 18・28. 4091-4098 (1999)
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[Publications] Adachi, T.: "CD72 negatively regulates signaling through the antigen receptor of B cells."J. Immunol.. 164・3. 1223-1229 (2000)
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[Publications] Yoshida, T.: "Repid B cell apoptosis induced by antigen receptor ligation does not require Fas (CD95/APO_-1), the adapter protein FADD/MORT1 or CmA-sensitive caspases but is defective in both MRL_<-+/+> and MRL-1pr/1pr mice."Int. Immunol.. (in press). (2000)
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[Publications] Tubata, T.: "Apoptosis of mature B cells."Int. Rev. Immunol.. 18. 347-365 (1999)
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[Publications] Tubata, T.: "Co-receptors on B lymphocytes."Curr. Opin. Immunol. 11・3. 249-255 (1999)
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[Publications] Tubata, T.: "B cell tolerance and autoimmunity."Rev. Immunogenet.. (in press). (2000)