1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470114
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
多田 学 島根医科大学, 医学部, 教授 (80127521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 宏紀 島根医科大学, 医学部, 助手 (80293033)
神田 秀幸 島根医科大学, 医学部, 助手 (80294370)
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Keywords | 痴呆予防 / 脳活性化 |
Research Abstract |
島根県の約人口1万人の町において、平成10年度4月対象町の痴呆予防モデル地区を設定し、65歳以上を対象に右脳刺激療法と運動療法を実施した。実際の受講者は70歳代が約70%と最も多く、男女25名で、女性の参加者が4/5を占めていた。参加者に対して「かなひろいテスト」を実施し、年齢を考慮した脳の活性状態を測定した。脳の活性が低下していない人、脳の活性が少し低下している人、脳の活性が低下している人の3段階に分け、脳活性教室開始時にそれぞれの評価(低下者にはMMSテストも実施)を行った。それら総ての人を対象に毎月1回は脳の生理学・老化など基本的な学習をすると共に、右脳刺激療法と運動療法の意義などの解説を系統立てて説明した。主な脳刺激療法はゲームによる勝負、年賀状のゴム版作成、歌の集団斉唱などを実施した。運動療法は原則毎日の歩行数の測定を実施し、その記録を記録表に記入することで、運動に対する意識向上を図った。 それらの脳活性化活動は地元地域の公民館を活用して実施し、一方本人が自主的に右脳刺激活動を地域ボランティアと共に実施した。脳活性教室活動の評価は、教室参加率50%以上を対象に、年度当初と年末に「かなひろいテスト」を実施した。区分を3段階評価にすると約27%が改善していたが、5段階程度に区分すると、加齢1年間が経過しているが、現状維持と上昇得点を改善とすれば、約80%に効果が見られたことになる。日常生活の万歩計による運動量評価では、運動歩数が多い人の評価点数が比較的高得点であった。昨年のモデル地域は、老人クラブ活動など自主的に生活の中に脳活性化要因を取り込んで活動し、現在それらの地域でも2年目の評価を検討している。今後、脳卒中など疾病による痴呆予防を含め、24時間血圧測定による血圧動態の把握による評価も実施する予定である。
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