1998 Fiscal Year Annual Research Report
アジア系各集団のDNAのMVR-PCRアリル分析に基づいた日本人起源の研究
Project/Area Number |
09470123
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
勝又 義直 名古屋大学, 医学部, 教授 (30109326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打樋 利英子 名古屋大学, 医学部, 助手 (20223571)
山本 敏充 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50260592)
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Keywords | 集団遺伝学 / ミニサテライト / D7S21 / D1S8 / D16S309 / MVR-PCR / 日本人起源 |
Research Abstract |
本研究の2年度では、D1S8(MS32)の中国人アリルのタイピングを行い、約80アリルについて他の人種との比較検討を行った。MVR-PCRは極めて多型性に富み、ほとんどがユニークなアリルであるが、部分構造の分析から類似アリルをドットマトリックス法によりグループ化することが可能である。これらの手法により日本人アリルと中国人アリル、及び他人種のアリルと比較することで、それぞれの近縁性を分析することができる。我々はすでに白人種、黒人種と日本人のアリルについて分析し、それぞれがユニークなグループをつくる傾向が強いことを示している。今回得られた中国人のアリルは全く同一のものはなく、それぞれ違っていたが、ドットマトリックス法で分析すると日本人のアリルと同一のグループをつくるものがかなりみられ、中国人と日本人のアリルの内部構造では部分構造がかなり類似しており、互いの近縁性が示された。また、アジア人でのアリル分析が進んでいないD16S309(MS205)について、まず日本人のアリルのタイピングを行った。MS205は全長が短かいためアリル全体のMVR-PCRマッピングが可能である。その結果、日本人は短かいアリルが多く、内部構造は白人種のアリルとかなり違っていた。MVR-PCRは複雑な内部構造を示し、情報量が多いので現在論文としてのまとめを慎重に行っている段階である。なお、MVR-PCRのマッピングはその多型性のため親子鑑定にも極めて有用であり、実際例への応用によりそれを証明した。
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[Publications] Huang X-L: "Evaluation of the paternity probability on an application of minisatelite variant repeat mapping using polymerase chain reaction (MVR-PCR) to paternity testing." Legal Medicine. (in press).
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[Publications] 陳 松: "中国人D7S21位点等位起因得昇MVR-PCR分析(1)-中国人D7S21位点5'端側翼DNA多型性" Genetics(in Chinese). (in press).
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[Publications] Tamaki K: "The potential contribution of MVR-PCR to paternity probabilities in a case lacking a mother." J.Forensic Sciences. (in press).