1998 Fiscal Year Annual Research Report
ジストロフィンの新しい心筋特異的分子種のクローニングとその病態的意義の解明
Project/Area Number |
09470182
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松尾 雅文 神戸大学, 医学部, 教授 (10157266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹島 泰弘 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (40281141)
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Keywords | ジストロフィン / 分子種 / クローニング / 拡張型心筋症 |
Research Abstract |
ジストロフィン遺伝子の異常から発症するジストロフィン異常症では、骨格筋の筋力低下に加え高頻度に拡張型心筋症を合併する。この拡張型心筋症が心筋特異的なジストロフィン分子種の異常から発症するとの仮説をたて、その原因となる新規の心筋特異的に発現するジストロフィンのアイソフォームの検索を行ってきている。そして、ジストロフィン遺伝子異常と拡張型心筋症を合併した症例の遺伝子の異常の分子発生機序の解明に着手した。 この症例は、ジストロフィン遺伝子の5'端領域に遺伝子の欠失を有しており、この領域の欠失はしばしば拡張型心筋症を合併する。そこで、本症例の遺伝子の異常が強く拡張型と関連するものと考え、その異常の解明に着手した。この例では、遺伝子の欠失はジストロフィン遺伝子のイントロンの1と7にそれぞれ断端が存在することを示唆する結果を得ている。現在、この断端を塩基配列を明らかにすべく、エクソン1から3'方向へ、あるいはエクソン8から5'方向へ、この患者のゲノムDNAを解析している。これには、現在までに知られているイントロン1と7の配列内にPCR増幅可能部位を見い出し、これをマーカーDNAとして順次マーカーDNAの患者由来のDNAを試料として増幅を行っている。その結果、欠失の断片をかなり狭い領域内に限定することが可能となった。現在、断端を含むDNA領域を一度にPCR増幅することを試みている。この増幅産物が得られれば、その塩基配列を決定し、断端の構造を明らかにする予定である。この結果は、心筋に特異的に発現するジストロフィンの新しいアイソフォームのクローニングを可能とするもので、大きく期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shiga,N,Matsuo,M.Yokoyama,M,Yokota,Y.: "Study on mutations affecting the muscle promoter/first exon of the dystrophin gene in 92 Japanese dilated cardionmyopathy patients." Am J Med Genet.79. 226-227 (1998)
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[Publications] Surono,A,Takeshima,Y,Wibawa,T,Ikezawa,M,Nonaka,I,Matsuo,M.: "Circular dystrophin RNAs consisting of exons that were skipped by alternatve splicing." Hum Mol Genet.8. 493-500 (1999)
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[Publications] Chen,D,Takeshima,Y,Ishikawa,Y,Ishikawa,Y,Minami,R,Matsuo,M.: "A novel deletion of the dystrophin S-promoter region co-segregting with mental retardation." Neurology. (in press). (1999)