1998 Fiscal Year Annual Research Report
内因性サイトカイン活性型冠動脈バイパス術用ハイブリッド小口径代用血管の開発
Project/Area Number |
09470287
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 真弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20075302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00159047)
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Keywords | angiogenesis / graft / small / サイトカイン / CABG / endogenous / hybrid / 代用血管 |
Research Abstract |
内因性サイトカインを活性化することにより治癒が良好でbasic fibrobiast growth factor(bFGF)を含む血管新生因子により新生血管の侵入が促進され、人工血管の内面が内皮細胞で速やかに被覆され、しかも新生血管がグラフト壁から外側に向かって虚血心筋の法に形成され、側副血行として役に立ち虚血の改善に貢献ずる冠動脈バイパス術用小口径代用血管を開発することを目的に本研究を開始した。この人工血管はグラフトが患者の冠動脈が動脈硬化の進行により吻合部より遠位で完全閉塞しても、抗血栓性が優れているために側副血行が保たれている限り開存ずるよう設計するつもりである。すでに、代用血管の植え込み後の組織治癒にはbFGFが重要であること、植え込み後早期に活性化されると血管新生が著しく起こり、速やかに内皮細胞での被覆が起こり、遠隔期には生体内での調節により内膜肥厚が起こらないことが判明している。また心臓側での反応を検討するため心筋梗塞後の心筋での組織反応が、創傷治癒に類似していることに注目し、創傷治癒における血管新生を新たに検討した。この検討では血管新生は悪性腫瘍や発生・分化と異なり動脈側からではなく、静脈側から始まり、しかも最初には瘻を形成し、新しく起こる出血が重要な意味を持っていた。経過観察では、静脈のループが突然閉塞する事により、血行が変化していた。我々は、グラフトの動脈測から血管新生が起こると考えていたが新しい事実が分かりつつある。我々は動脈硬化の外科的治療の進歩に貢献ずるばかりでなく、将来の高機能型人工臓器への発展をも目指し努力している。
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[Publications] Tomizawa Y et al: "Evaluation of small caliber vascular prostheses implanted in small children; activated angiogenesis and accelerated calcification" ASAIO J. 44. M496-M500 (1998)
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[Publications] 冨澤康子: "細胞と組織移植によるバイオ人工血管" 人工臓器. 27. 708-714 (1998)