1998 Fiscal Year Annual Research Report
超原子価ペルオキシヨージナンを活用する酸化反応の開発
Project/Area Number |
09470485
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
落合 正仁 徳島大学, 薬学部, 教授 (50127065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末田 拓也 徳島大学, 薬学部, 助手 (40260682)
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Keywords | 超原子価 / 有機ヨウ素化合物 / 酸化 / ベンジルエーテル / エステル / 脱保護 |
Research Abstract |
アルキルペルオキショーダンは、分子内に酸化作用を有するペルオキシ基と3価のヨウ素原子とを同時に合わせ持つ特異な化合物である。従って、酸化剤としての活用が大いに期待されるため、その酸化能を明かにすると共に、反応機構も解明することを目的に検討を行っている (1) ベンジルエーテルのアルキルペルオキシヨーダンによる酸化反応を見出し、ベンジル基の有用な酸化的脱保護反応を開発した。また、ラジカル阻害剤ガルビノキシルやラジカル捕捉剤(TEMPO)の存在下に本酸化反応を実施し、ベンジルラジカルが発生する反応であることを明らかにした。置換基効果についての検討結果もラジカル機構を強く示唆している。 (2) アリル基も有機合成におけるアルコール類の重要な保護基であるため、アルキルペルオキシヨーダンを用いた、アリルエーテルのα,β-不飽和エステルへのアリル位酸化反応を開発した。環式ならびに非環式アルコールのアリルエーテルの酸化反応が効率良く進行する。また、分子内に水酸基、アセトキシ基、シリル基、ピラニル基等の保護基が存在しても、アリルエーテルのアリル位酸化反応が選択的に進行するため、官能基選択性の高い反応であることが判明した。 (3) スルフィド、セレニド、ホスフィン等の酸化反応にも有効であり、それぞれ対応するスルホキシド、セレノキシド、ホスフィンオキシドが得られる。 (4) 酸化的脱ジチオアセタール化やアミン類のイミンへの酸化反応の開発にも成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Masahito Ochiai: "Reaction of Monocarbonyl Iodonium Yides with Activated Imines: Stereoselective Synthesis of trans- and cis-α,β-Aziridino Ketones" Tetrahedron Lett.39・31. 5569-5570 (1998)
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[Publications] Masahito Ochiai: "On the Mechanism of Nucleophilic Substitution of Allenyl(aryl)iodine(III): Formation of Propargyl Cation and Competition with Sigmatropic Rearrangement" Tetrahedron Lett.39・31. 6207-6210 (1998)
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[Publications] Tadashi Okuyama: "Vinylic S_N2 Reaction of 1-Decenyliodonium Salt with Halide Ions" Bull.Chem.Soc.Jpn.71・1. 243-257 (1998)
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[Publications] Tadashi Okuyama: "In-plane Vinylic S_N2 Substitution and Intramolecular β Elimination of β-Alkylvinly(chloro)-λ^3-iodanes" J.Am.Chem.Soc.120・10. 2275-2282 (1998)
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[Publications] Tadashi Okuyama: "Reactions of Phenyl(styryl)iodonium Tetrafluoroborate with Halide Ions" Bull.Chem.Soc.Jpn.71・8. 1915-1921 (1998)
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[Publications] Tadashi Okuyama: "Solvolysis of β,β-Dialkylvinyliodonium Salt:Primary Vinyl Cation Intermediate and Alkyl Participation." Chem.Lett.10. 1177-1178 (1998)