1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470489
|
Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
野出 學 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (60027076)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西出 喜代治 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (10237711)
|
Keywords | α,β-不飽和ケトン / キラルメルカプトアルコール / 不斉Tandem Michael-MPV反応 / 光学活性アルコール / 光学活性アリルアルコール / 動的速度論的分割 / 1,7-水素転位 |
Research Abstract |
カルボニル基の還元反応の一つにMeerwein-Ponndorf-Verley(MPV)還元反応があるが、本研究ではこのMPV反応を基盤として、メルカプト基を有するキラルアルコールを不斉反応剤とするα,β-不飽和カルボニル化合物の不斉還元反応の開発を目的とした。本反応は基質の二重結合へのSH基のMichael付加とカルボニル基の分子内MPV還元が連結した新規Tandem Michael-MPV反応である。本反応生成物は各種変換反応により飽和の光学活性アルコールを始め種々の官能基が導入された光学活性アルコールへの変換が可能である。以下に、本年度において検討した結果を示す。 1)キラルメルカプトアルコールの構造最適化においては、(+)-プレゴンおよび(+),(-)-カンファースルホン酸から各種キラルメルカプトアルコールを合成し、最適構造を検討下結果後者から合成した化合物が最も良い反応性を示した。2)ルイス酸の検討では各種ルイス酸を検索した結果、Me_2AlClが最も優れていた。3)不斉Tandem Michael-MPV反応の反応機構についてはルイス酸とメルカプトアルコールより形成される不斉反応剤の構造を解明することができ、また本反応は動的速度論的分割を受け、生成可能な数種のジアステレオマ-のうち単一の生成物を与えることを明らかにした。更に、本反応は新規な1,7-水素転位で進行していることを実証した。4)生成物の還元的脱硫反応の検討ではラネ-Niを用いた還元的脱硫反応により光学活性アルコールに収率良く変換することができた。5)生成物の酸化的脱硫反応の検討については生成物のスルフィドをスルホキシドい酸化後、熱的に脱離することにより光学活性アリルアルコールに収率良く変換変換することができた。6)βーケトアルコールおよびメルカプトアルコールへの変換等については次年度において検討する予定である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Manabu Node: "Raney Nickel-Sodium Hypophosphite Combination System for Reductive Desulfurization without Racemization of Secondary Alcohol" Tetrahedron. 53・38. 12883-12894 (1997)
-
[Publications] Kiyoharu Nishide: "Asymmetric 1,7-Hydride Shift:The Highly Asymmetric Reduction of α,β-Unsaturated Ketones to Secondary Alcohols via a Novel Tandem Michael Addition-MPV Reduction" J.Am.Chem.Soc.118・51. 13103-13104 (1996)