1997 Fiscal Year Annual Research Report
がん原遺伝子産物c-Mycの働きを制御するMax蛋白質の構造と機能
Project/Area Number |
09470492
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
上杉 晴一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (70028851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 靖之 横浜国立大学, 工学部, 助手 (80202050)
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Keywords | がん原遺伝子 / DNA結合蛋白質 / 転写制御因子 / c-Myc / Max / 蛋白質 / DNA-蛋白質相互作用 / 構造 |
Research Abstract |
1.Max蛋白質の大量生産系の確立 全長Max蛋白質(160アミノ酸)およびそのアミノ末端側110番までの蛋白質(Max110)の遺伝子を、それぞれヒトの胎児脳cDNAライブラリー中からPCR法によって増幅し、T7プロモーターを含むプラスミドにクローニングした。この発現プラスミドを大腸菌に導入し、IPTGによりMax蛋白質の発現を誘導した。菌体中のMax蛋白質を尿素により可溶化後、硫安分画、陽イオン交換クロマトグラフィーおよびゲルろ過クロマトグラフィーを用いて精製した(培地1L当たり約20mg)。 2.Max蛋白質のホモ2量体形成能 蛋白質濃度を変化させてCDスペクトルを測定すると、α-ヘリックス含量が蛋白質濃度に依存して増加した。分析用超遠心機を用いてMax110の沈降平衡測定を行い、結果を分析すると単量体と2量体の間に平衡があることが確認された。従って、蛋白質の2量化に伴いα-ヘリックス形成が促進されることが判った。 3.Max蛋白質と認識DNAとの相互作用 Maxの特異的結合配列CAGCTGを含む2本鎖DNAをMax蛋白質に加えると、蛋白質のα-ヘリックス含量がDNA濃度とともに増加した。配列中央部のGCをCGに変えたDNAでも、程度は低いが同じ現象が見られたが、DNA-蛋白質複合体のTmは7°低かった。これにより、DNAとの複合体形成によってもα-ヘリックス形成が促進されることが判った。
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Research Products
(1 results)