1999 Fiscal Year Annual Research Report
生体内ラジカル反応解析のための機能性デンドリマーの開発とその応用
Project/Area Number |
09480249
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
尾形 健明 山形大学, 大学院・理学工学研究科, 助教授 (50091830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 秀克 山形県テクノポリス財団, 生物ラジカル研究所, 主任研究員 (10281619)
佐藤 慎吾 山形大学, 工学部, 助教授 (30215793)
上田 充 東京工業大学, 工学部, 教授 (20007199)
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Keywords | デンドリマー / ニトロキシルラジカル / Carboxy-PROXYL / ESR / in vivo / アスコルビン酸 / ラット |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,デンドリマーの興味深い性質に着目し、新規スピンプローブ剤の開発のための基礎的知見を得るため,スピンプローブ剤を内部に取り込ませたデンドリマーの合成と機能についての検討を行った。デンドリマーは,分岐が規則的に連続し規制された構造を有した三次元状巨大分子である。デンドリマーは,その中心や最外殻への官能基の導入が容易であることから様々な機能を付与することが可能であり,また世代が上昇するにつれて内部が疎,末端が密の構造を有し,内部空孔に低分子化合物を保持できることが報告されている。デンドリマーは以上の性質より,医療材料をはじめとする様々な分野への応用が期待されている。本年度の研究で合成されたデンドリマーは,内部にスピンプローブ剤を約1分子包含することが可能となり,また,末端を糖鎖で修飾しているため水溶性を付与することが可能となり,組織認識能を有することが期待された。そこで,スピンプローブ剤包含デンドリマーを生体投与し,その投与挙動を観察した結果、スピンプローブ剤はデンドリマーに内包されたことにより体内寿命が約2倍延長したことを見出した。しかし,組織認識能の評価は,合成したデンドリマーが生体適合性が低かったため行うには至らなかった。より生体適合性の高いデンドリマーの合成を目的とし,脂肪族ポリエーテルデンドリマーの合成を試みたが,その性質については,今後の課題である。
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[Publications] Y.Lin: "Determination of Ascorbate Concentration in a Raw Leaf with Electron Spin Resonance Spectroscopy"Anal. Sci.. 15. 973-973 (1999)
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[Publications] H.Yokoyama: "EPR Imaging for In Vivo Analysis of the Half-Life of a nitroxide Radical in the Hippocampus and Cerebral Cortex of Rats after Epileptics Seizures"Free Radical Biology & Medicine. 27(3/4). 442-448 (1999)