1997 Fiscal Year Annual Research Report
パルスレーザー光の放射圧を利用した微粒子の吸着力計測法の開発
Project/Area Number |
09555010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笹木 敬司 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00183822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀尾 浩司 (株)モリテックス, 研究開発室, 研究員
増原 宏 大阪大学, 工学部, 教授 (60029551)
喜多村 昇 北海道大学, 理学研究科, 教授 (50134838)
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Keywords | 放射圧 / 微粒子 / 吸着 / 光計測 / レーザーマニピュレーション |
Research Abstract |
微粒子のマニピュレーションに用いられてきたレーザー光の放射圧を、微粒子と固体界面の吸着現象を解析するための光バネと1して利用し、非接触・非破壊的にファン・デル・ワールス力を計測する新しい手法を開発するとともに、基礎的実験を行った。 1.微粒子に作用する放射圧と吸着力相互作用の理論的解析 波動理論に基づいて微粒子の内部および界面近傍の電場分布を有限要素法を用いて計算し微粒子に作用する光の放射圧を理論解析した。また、単一微粒子と固体界面におけるファン・デル・ワールス相互作用を解析し、吸着微粒子にパルスレーザー光を照射したときの放射圧と吸着力が形成するポテンシャル場を計算して微粒子の運動を予測した。解析結果から微粒子の吸着力測定に最適な光学系や実験条件を求めるとともに、計測精度・感度について検討した上で、単一微粒子の吸着力計測システムを設計した。 2.単一微粒子の吸着力測定システムの試作との基礎的性能評価 現有のナノ秒パルスレーザー、光学顕微鏡とピエゾ駆動装置を用いてシステムを光学除振合(本申請で購入)上で作製した。パルスレーザーの強度を制御しながら微粒子の振る舞いをモニターし、放射圧が吸着力を上回って固体表面から飛散する瞬間のレーザー光強度から放射圧効率を用いて吸着力を求めた。開発したシステムを用いて、ガラス基板に吸着した高分子微粒子のファン・デル・ワールス相互作用の測定を行ない、理論との整合性を確認した上で、本システムの有効性ならびに測定精度・感度について検討した。
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[Publications] Keiji SASAKI: "In Situ Measuremert of an Adresion Force between a Single Microparticle and a Sarface Using Radiation Pressure of Pulsed Laser Light" Jpn.J.Appl.Phys.36. L721-L723 (1997)
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[Publications] 堀尾 浩司: "光の放射圧と利用したレーザービンヒット" 自動化技術. 29. 70-73 (1997)
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[Publications] 笹木 敬司: "マイクロ光マニピュレーション" O plus E. 20. 36-42 (1998)