1997 Fiscal Year Annual Research Report
過大地震動を受ける建築構造物の崩壊挙動の解明と終局耐震性能評価法
Project/Area Number |
09555174
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 章 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90158684)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大崎 純 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40176855)
坂田 弘安 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (80205749)
森迫 清貴 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90127168)
大井 謙一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90126003)
上谷 宏二 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40026349)
|
Keywords | 弾愬性挙動解析 / エネルギー吸収 / 免震・制震構造 / 動的崩壊 / 座屈挙動 / 被害レベル制御 / 有限要素法 / 耐震設計 |
Research Abstract |
兵庫県南部地震の災害は我々建築構造の研究者に大きな衝撃を与えた。最も被害の集中した地域に生じた地震の大きさは現行の建築基準法で考えられている大きさの1.5倍と言われている。わが国では,現行の基準においても,建築構造物に与えている強度はその構造物が弾性的に応答する場合に生じる強さの1/4から1/2にしかない。強度を越える地震入力は構造物の愬性変形能力によって抵抗される。しかし,実際の設計の段階では,簡単な計算が行われているだけで,真に大きな地震入力が建築構造物に作用した場合の挙動を捉えてはいない。この研究活動は,表題の示すとおり,過大入力を受ける建築構造物の動的崩壊過程を解明する方法の確立と設計への応用法の開発にある。 本研究では,京都大学に共同利用のワークステーションを置き,インターネットを介して,同一の地震動データ,構造物について各研究者による方法で解析を行い,その結果を公開共有して検討を行う。また、入出力データおよびソフトウェアの相互利用を行い,頻繁な討論の実施によって総合的な成果を得ることを目指す。解析法の整備についても十分な意見交換を行う。なお,各年に2度の会議を行う。 平成9年度には過大入力を受ける構造物の崩壊過程の解明に取り組んだ。各研究者はこれまで各自が研究対象としてきた構造物に関する研究成果・方針に基づき,あるいは既往の成果・方法を発展させて研究を進めた。主なテーマは,鋼構造骨組の動的崩壊挙動の解析,鉄筋コンクリート構造物の動的崩壊挙動の解析,トラス,ラチスシェルなどの空間構造物の動的崩壊挙動の解析,木造構造物の動的崩壊挙動の解析,上部構造物-杭-地盤連成系の崩壊解析,各種構造物の動的崩壊要因・崩壊性状の評価,強地震動加速データの作成,各種構造物の動的崩壊解析法の整理・開発である。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 高島英幸: "緩みのある接合特性を有する単層ラチスドームの弾塑性挙動シミュレーション法" 日本建築学会構造系論文集. No.498. 91-98 (1997)
-
[Publications] 市橋重勝: "1階両外柱の模型実験を含んだRC造高層建築物の静的パラレル実験解析" 日本建築学会構造系論文集. No.499. 93-100 (1997)
-
[Publications] 上谷宏二: "薄肉構造物解析のための高次多項式内挿変位関数を用いた完全適合型長方形平板有限要素" 日本建築学会構造系論文集. No.501. 57-64 (1997)
-
[Publications] 大西雄一郎: "被害レベル制御構造における梁端フランジ溶接部の力学的特性" 日本建築学会構造系論文集. No.501. 143-150 (1997)
-
[Publications] 小波佐和子: "建築物が寿命中に受ける総地震被害に注目した耐震設計に関する-考察" 日本建築学会構造系論文集. No.502. 165-172 (1997)
-
[Publications] 多田元英: "管通し平板ガセット形式接合部を有する軸力材の弾性座屈挙動" 日本建築学会構造系論文集. No.503. 131-138 (1998)
-
[Publications] 和田 章(分担): "免震・制震による耐震改修『ガイドライン/保存・再利用計画の指針』建設省総合技術開発プロジェクト 歴史的建物とその周辺環境の保存・活用技術に関する研究" 建設省建築研究所, 200 (1997)