1998 Fiscal Year Annual Research Report
標準有効温度:SET^*のリアルタイム計測・評価システムの開発に関わる研究
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09555180
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Research Institution | HOKKAIDO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
西 安信 北海道工業大学, 工学部, 教授 (50102786)
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Keywords | SET^* / 標準有効温度 / リアルタイム モニタリング / 赤外線熱電対 / 平均放射温度 |
Research Abstract |
本研究は次の2点に要約される懸案の解決を目的とした。 1. 平均放射温度のリアルタイム計測。 これまで平均放射温度の計測には過去70年以上にわたってグローブ温度計の示度に基づく方法が採られてきたが、この欠点としてグローブ温度の検出に約15分間も要することが挙げられる。 本研究にて採用した赤外線熱電対(米国Exergen社製)測定波長6.5〜14μm、視野角60゚、応答時間200msと建築空間の放射温度をリアルタイム計測するには極めて有効なセンサーと考えられた。本研究では赤外線熱電対センサー3本を一組として180゚を3分割する角度でホルダーに固定し、回転速度2RPMの直流モーター駆動装置により全閉壁面をスキャンニングすることにより平均放射温度のリアルタイム計測を可能とした。この方法で計測されたデーターとグローブ温度計に基づく平均放射温度、さらに壁面表面温度を別途放射温度計にて計測し、立体角により重み付けした平均放射温度と比較した結果、充分の精度で平均放射温度を検出することができることを確かめた。 2. 標準有効温度:SET^*のリアルタイム計測と評価。 実際の建築空間において実測される温熱環境データー:l.気温、2.気流、3.相対湿度、4.平均放射温度、を小型のポータブルなデーターロガーを経由してモバイルパソコンに転送しリアルタイムにてSET^*を演算するシステムを完成した。また、フイールドにおける計測に対応するようにシステムの軽量化と小型化を図った。SET^*の演算プログラムはこれまで NECN88BASICにて記述されていたが、本システムではWindows95/98に対応するようにMicrosoft Visual Basic Ver.5.0にて書き改め、CD-ROMに収録した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 西 安信 大橋俊介: "ウィンドウズ95対応の標準有効温度(SET^*)のリアルタイムモニタリングシステム第2報" 日本建築学会大会学術講演会梗概集(九州). 365-366 (1998)
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[Publications] 大橋俊介 西 安信: "温熱環境のリアルタイム評価システムの開発" 日本人間工学会北海道支部研究発表会. (1998)
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[Publications] 大橋俊介 西 安信: "平均放射温度のリアルタイム計測" 日本生気象学会雑誌. Vol.35No.3. S58 (1999)
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[Publications] 西 安信 編著: "快適な温熱環境のメカニズム" (社) 空気調和・衛生工学会 丸善, 216 (1998)