1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555246
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大塚 潔 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016532)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 昭信 住友化学工業(株), 筑波研究所, 研究理事
山中 一郎 東京工業大学, 工学部, 助教授 (90240051)
|
Keywords | ベンゼン / フェノール / プロパン / アセトン / 部分酸化 / 水素酸素電池 / 活性酸素 / 酸素酸化 |
Research Abstract |
省資源省エネルギーの立場から、これまであまり利用されていなかったベンゼンやプロパンなどの単純炭化水素の化学的利用が注目されている。単純炭化水素は化学的に安定で、これを温和な条件で対応するアルコールやケトンなどに選択的に酸化する事は学術的にも大変興味ある事である。既に我々の研究グループは、水素・酸素電池反応を利用して、陰極上で酸素を還元的に活性化し、ベンゼンを部分酸化する方法を考案した。常温常圧の極めて温和な条件下フェノールが選択的に生成すること見出している。平成9年度は、この水素・酸素電池反応システムをベンゼンよりも反応性に乏しい低級アルカンのプロパンの部分酸化を目標にカソードおよび反応システムの高活性化を試みた。まず、プロパンはベンゼンとは異なり気体であるので、水素・酸素電池反応セルを改良し、ガスセルを作製してた。このガスセルを用いて様々なカソード電極を探索したところ、気相成長カーボンファイバー(VGCF)電極を用いると、プロパンの酸化反応が常温常圧で進行し、アセトン、酢酸、そして炭酸ガスが生成することを見出した。もちろんこれらの生成物は、プロパンを供給しなかったり、あるいは開回路の状態では全く生成しなかった。回路を短絡して、VGCFカソード上で酸素を還元した時だけ、プロパン酸化が進行した。このことは、VGCFカソード上で酸素が還元的に活性化されて活性酸種が発生していることを示している。このVGVFカソードをベースに各種添加物を添加し、電極の高活性化を試みた。その結果、VGCFにパラジウム黒と酸化鉄を一所に添加したときに顕著なプロパン酸化活性が増加することを見出した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Kiyoshi Otsuka: "Reductive and Oxidative Activation of Oxygen for Selective Oxygenation of Hydrocarbons" Stud.Surf.Sci.& Catal.110. 93-102 (1997)
-
[Publications] Kiyoshi Otsuka: "Hydroformylation of Ethylene via Spontaneous Cell Reactions in the Gas Phase" Journal of Catalysis. 165. 221-230 (1997)
-
[Publications] Kiyoshi Otsuka: "Design of Catalysts Based on Electrochemical Microcell Models" Catal.Surveys Japan. 1. 195-203 (1997)
-
[Publications] Kiyoshi Otsuka: "Partial Oxidation of Light Alkanes during O_2-H_2 Cell Reaction at Room Temperature" Chemistry Letters. 363-364 (1997)
-
[Publications] 大塚 潔: "エレクトロキャタリシスによる炭化水素の高難度選択酸化反応" 触媒. 39. 360-366 (1997)
-
[Publications] 大塚 潔: "ケミカルズ・電力コジェネレーション型燃料電池" 化学と工業. 50. 1327-1329 (1997)