1998 Fiscal Year Annual Research Report
進化リアクターの構築とそれを用いた酵素の進化工学的改良
Project/Area Number |
09555253
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
卜部 格 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 康文 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50187423)
根来 誠司 姫路工業大学, 工学部, 教授 (90156159)
四方 哲也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00222399)
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Keywords | 進化リアクター / 自己複製系 / ランダム変異 / 適応度地形 / グルタミン合成酵素 / DNA合成酵素 |
Research Abstract |
本年度は、in vivo型進化リアクターの選抜システムの構築のために、まず、前年度取得した、野生型酵素よりも高い活性を示す変異型酵素(GLS-H)と低い活性を示す変異型酵素(GLS-L)および野生型酵素(GLS-W)の遺伝子をそれぞれ導入した宿主菌株(H株、L株、W株)を作製した。そして、H,L,W株の2株ずつの組み合わせについて混合連続培養を行ったところ、競争の結果どちらか一方が選抜されてくる場合もあるが、それよりはむしろ、2株とも安定に共存する場合が一般的であることがわかった。このことは適応度の地形が、単一菌株のみが存在する場合と競争者が存在する場合とで異なるということを示している。これは、菌株間の相互作用に由来するものであろうが、進化の機構の解明およびそれを応用する上で非常に重要な知見である。 一方、前年度構築したDNA合成酵素の自己複製糸と、PCRによるランダム変異の導入とを組み合わせたin vitro型進化リアクターを、10世代まで安定に運転できた。そして、そのときのDNA合成酵素の進化の過程を、そのアミノ酸配列と活性の両面から追跡し、自己複製速度に関するさんるい淘汰圧が十分かかっていることを確認した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Yomo et al.: "Kinetic equation for template-dependent polymerase reactions and its application to Thermus thermophilus DNA polymerase" J.Ferment.Bioeng.86(4). 379-384 (1998)
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[Publications] A.Kashiwagi et al.: "How small can the difference among competitors be for coexistence to occur" Res.Popul.Ecol.40(2). 223-226 (1998)