1997 Fiscal Year Annual Research Report
界面重合法による繊維の超耐光性染色・形態安定化同時加工法の開発とその機構
Project/Area Number |
09555295
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮本 武明 京都大学, 化学研究所, 教授 (60027050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 亮 名古屋ニュージーランド羊毛公社, 開発部長(研究職)
伊藤 啓 平安女学院短期大学, 生活学科, 助教授 (20213077)
呑海 信雄 京都大学, 化学研究所, 助手 (90237181)
辻井 敬亘 京都大学, 化学研究所, 助手 (00217308)
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Keywords | 天然繊維 / 繊維機能加工 / パステル染色 / 染料含有高分子 / 耐日光堅牢度 / 防縮加工 / 界面重縮合 / 反応性染料 |
Research Abstract |
本研究の目的は、羊毛や木綿などの天然繊維表面に染料含有高分子薄膜を形成させ、耐日光堅牢度に優れた染色(特に淡いパステル染色)と繊維の形態安定性を同時に付与する新規繊維加工法を開発することにある。本年度は羊毛繊維を対象とし、染料含有ナイロン薄膜を形成させる反応条件と得られる加工繊維の耐日光堅牢度と防縮性を検討した。具体的には、ヘキサメチレンジアミン(H_2N-R-NH_2)、反応性染料及び界面活性剤(Tergitol)を含むアルカリ水溶液を弟1浴とし、これに羊毛織物を浸漬後、適当な絞り率でpaddingし、アジピン酸ジクロリド(cloc-R-COCl)を含むトルエン溶液を第2浴として繊維表面上で界面重縮合を行い、各種染料含有高分子薄膜を合成した。用いた染料は、Acid Blue43とDirect Yellow1の二官能性アゾ染料とDrimalan系の反応性アゾ染料である。いずれの染料の場合も、染色濃度を調節することにより所望のパステル染色が可能であることを見出した。織物の防縮性も比較的良好であった。また、Drimalan系アゾ染料の場合は、耐日光堅牢度にも優れていることが判明した。しかし、二官能性アゾ染料の場合は期待したほどの効果は認められなかった。また、上記の反応条件で得られるナイロン薄膜の分子量が低いこともあり、耐洗濯性は低いという結果であった。平成10年度は、合成ナイロン薄膜の分子量制御法、耐日光堅牢度に優れた二官能性アゾ染料系ナイロンの合成法、繊維表面と合成高分子薄膜の接着性等について鋭意検討する予定である。さらに、綿織物についても同様の検討を予定している。
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