1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09555299
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村上 正秀 筑波大学, 構造工学系, 教授 (40111588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 耕治 (株)クライオウエア, 研究開発部, 部長
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Keywords | 超伝導 / 熱線流速計 / 超流動 / 蒸発・凝縮現象 |
Research Abstract |
本研究では,将来,超高レイノルズ数(10^7以上)流れに適用可能となる様な超小型・高速応答性を特徴とする超伝導薄膜型熱線流速計の開発を目指した基礎研究と,そこで試作された超伝導薄膜型熱線流速計を応用した超流動ヘリウム相からの蒸発現象の計測が行われた. 本誌作品は,超流動ヘリウム相からの蒸発現象の計測の目的で本研究者等により自家開発されている高感度・高応答性の薄膜型超伝導温度センサを基にして超伝導熱線流速計を作成し,蒸発ガス相の流速を計測する事を試みた.以下その成果を記述する a) 超伝導熱線流速計の試作: 超小型,高速応答性,超高感度といった性能上の特徴を有するに加え,フランスで開発されたものとは,超伝導材料をニオブ薄膜からSn+Au薄膜に変えることにより,より低温側へ広がった適用温度範囲(1.5K〜2.5K)をもつ点で異なっている. b) 試作された超伝導熱線流速計の校正方法の開発: ヘリウム蒸気流を用いた校正装置(風洞)を開発し,これを用いた校正方法を開発した.つまり,実際の応用では,温度変動のある場での速度測定となるので,温度計測を併用することにより,ソフト的に温度効果を除去し純粋に流速計測を実現した. c) 超流動ヘリウム自由界面からの蒸発に際しての蒸気流速測定(蒸発相の気体論的振る舞いとHeII自由界面近傍における超流動流体力学的振る舞いの両方に関する研究): d) 試作品の評価: センシングエレメントの経年変化(酸化と結晶構造変化)の低減法=酸化防止コーティングとアニーリング,についても考察する.
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[Publications] T.Furukawa and M.Murakami: "Translent evaporation phenomena induced by impingement of second sound on a superfluid helim-vapor interface" Rarefied Gas Dynamics. (発表予定). (1999)
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[Publications] 古川徹、村上正秀: "HeII自由界面からの蒸発におけるKnudsen効果" 流体力学講演会論文集. 5-8 (1998)