1997 Fiscal Year Annual Research Report
虚弱高齢者に対する心身機能活性化訓練の効果に関する介入研究
Project/Area Number |
09557034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
辻 一郎 東北大学, 医学部, 助教授 (20171994)
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Keywords | 高齢者保健 / 運動訓練 / 無作為割り付け対照試験 / 最大酸素摂取量 / 筋力 / 体力 / 健康増進 / 疫学 |
Research Abstract |
地域に生活する虚弱高齢者を対象に運動訓練による無作為割り付け対照試験を実施し、その生活体力と心身の健康に及ぼす効果を科学的に評価することが本研究の目的である。3年計画の初年度においては、以下の2点に関する研究を行った。 (1)虚弱高齢者の同定(スクリーニング) 地域におけるニーズの把握とスクリーニング・テストの妥当性の検証のために、岩手県O町の住民約5000名を対象に、自記式調査票により身体運動機能や日常生活活動(ADL)能力、身体活動状況などを調査した。その結果、ADLには自立しているが社会生活には支障のある、「虚弱レベル」の者が65歳以上高齢者のうち15%程度を占めることが明らかになった。 (2)運動訓練プログラムの開発 高齢者のための健康・生きがい支援施設である仙台市シルバ-センターとの共同により、心肺機能・持久性改善のための自転車エルゴメーター、四肢の筋力増強のためのトレーニング、バランス機能・柔軟性の改善のためのリズム体操などの運動訓練プログラムを開発した。プログラム開発に当っては、数名の高齢者に対して実施し、その有効性と安全性を検証した。 仙台市在住の高齢者60名に対して、無作為に割り付けた30名に運動訓練を週3回2時間ずつ半年間行い、残る30名(月2回のレクリエーション)との間で効果の評価を行うためのプロトコールを作成した。 参加者の公募を平成10年2月に行い、250名の申し込みがあった。現在、対象者の選定に向けた検査測定(最大酸素摂取量・筋力・生活体力・身体運動量・血液検査など)を実施しており、運動訓練を本年4月より開始するための準備作業を行っている。
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