1998 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍選択的なエネルギー代謝遮断機構に基づいた抗がん剤の抗腫瘍効果の最適化
Project/Area Number |
09557197
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Research Institution | The University of Tokushima, Faculty of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
原島 秀吉 徳島大学, 薬学部, 助教授 (00183567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 哲也 東北大学, 薬学部, 教授 (60155463)
篠原 康雄 徳島大学, 薬学部, 助教授 (60226157)
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Keywords | 薬物送達システム / リポソーム / がん / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は,抗癌剤を選択的に腫瘍組織へ送達し,癌細胞のエネルギー代謝を特異的に遮断することにより抗腫瘍効果を発現させる最適な薬物送達システムを開発し,その実用化への基礎研究を目的とした. まず,抗癌剤のキャリアーとしてリポソームを選択し,細胞内動態制御のストラテジーを構築した.pH-感受性リポソームを用いることにより,エンドサイトーシスにより細胞内に取り込ませたのち,ライソゾームでの分解を回避して細胞質中へ脱出させることが可能となった.さらに,核局在化シグナルを付与することにより,細胞質中へ放出させた高分子を能動的に核内へ輸送させることに成功した.この細胞内動態制御法は,種々の高分子化合物のための細胞内動態制御キャリアーとして有用である. 一方,癌細胞においてII型ヘキソキナーゼの転写活性が亢進していることが明らかとなり,核内転写レベルでの遺伝子発現抑制を行うことを目指した.そのためにまず,核内へ送達した遺伝子の定量法の開発が重要となるので,定量法の開発に着手した.その結果,PCRを利用して核一個あたりの遺伝子送達量を定量する方法の確立に成功した.その結果,核内に送達した遺伝子量と発現量との関係を世界で初めて明らかにすることができた.今後は,II型ヘキソキナーゼの転写活性を抑制する遺伝子の最適化を図るとともに,キャリアーの最適化を行い,in vivoに適用可能な人工遺伝子キャリアーを開発したい.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 浦上裕美子他: "リポソームによる抗癌剤の抗腫瘍効果の最適化に関する速度論的研究:生理学的モデルに基づいたシミュレーションスタディー" Drug Delivery System. 12. 403-408 (1997)
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[Publications] R.Tachibana et al.: "Intracellular regulation of macromolecules using pH-sensitive liposomes and nuclear localization signal:Quantitative and qualitative evaluation" Biochem.Biophys.Res.Comm.251. 538-544 (1998)
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[Publications] 原島秀吉他: "キャリアーによる細胞内デリバリー戦略と今後の課題" Drug Delivery System. (1999)
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[Publications] Y.Shinohara et al.: "Source of ATP for hexokinase-catalized glucose phosphorylation in tumor cells" Biochim.Biophys.Acta. 1319. 319-330 (1997)
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[Publications] Y.Shinohara et al.: "Quantitative determinations of the steady stato transcript levels of hexokinase isozymes and glucose transporter isomers in normal rat" Biochim.Biophys.Acta. 1368. 129-136 (1998)
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[Publications] T.Kitazawa et al.: "Efflux of taurocholic acid across the blood-brain barrier:Interaction with cyclic peptides" J.Pharm.Exp.Ther.286. 890-895 (1998)