1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現による薬物排泄系の再構築を基盤とした薬物相互作用の新評価・予測法の開発
Project/Area Number |
09557211
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
乾 賢一 京都大学, 医学研究科, 教授 (70034030)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 智先 京都大学, 医学研究科, 助手 (90303825)
桂 敏也 京都大学, 医学研究科, 助手 (10283615)
奥田 真弘 京都大学, 医学研究科, 助手 (70252426)
橋本 征也 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90228429)
|
Keywords | 薬物輸送 / 尿細管分泌 / 有機アニオントランスポータ / 有機カチオントランスポータ / アフリカメガユル卵母細胞 / 動物細胞安定発現系 / メトトレキセート / テトラエチルアンモニウム |
Research Abstract |
本年度は、薬物腎排泄に関わるラット腎由来の新規有機アニオントランスポータ(OAT-K2、OATl)の遺伝子クローニングに基づく構造・機能解析を実施し、以下の研究成果を得た。1. ラット有機アニオントランスポータ(OAT-K2)の遺伝子クローニングと構造・機能解析:ラット腎有機アニオントランスポータOAT-Klと同時に得られた全長約2.4kbPのcDNAクローンの塩基配列を解析したところ、OAT-Klと異なる新規有機アニオントランスポータOAT-K2をコードしていることが判明した。OAT-K2mRNAは腎特異的に発現しており、OAT一K2は8本の推定膜貫通領域を有するものと考えられた。培養上皮細胞に遺伝子導入することにより作成したOAT一K2の安定発現細胞(MDCK-OAT-K2)を用いて機能解析を行ったところ、メトトレキセート、葉酸、タウロコール酸及びプロスタグランジンE2の輸送が促進されたことから、OAT一Klとは異なりOAT-K2は多様な有機アニオンを輸送することが明らかになった。 2. ラット腎有機アニオントランスポータ(OAT1)のクローニングと構造・機能解析:既に報告されているマウス腎由来のNKT(novel kidney transporter)の塩基配列を参考にプライマーを設計し、ラット腎由来のpoly(A)^+ RNAを鋳型にRT-PCRを行ったところ、NKTと極めて相同性の高いcDNA断片が得られた。これを用いてラット腎cDNAライブラリーをスクリーニングしたところ、有機アニオントランスポータOATlをコードするcDNAクローンが得られた。アフリカツメガエル卵母細胞にOATlの合成RNAを注入し、アニオン性化合物の輸送活性を評価したところ、OATlは広い基質認識性を有し、尿細管側底膜に対応する有機アニオントランスポータであると考えられた。さらに、OATlによる有機アニオン輸送活性はプロテインキナーゼCによって調節を受けることが明らかになった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] S.Masuda: "Cloning and functional characterization of a new multispecific organic anion transporter,OAT-K2 in rat kidney." Mol.Pharmacol.in press (1999)
-
[Publications] M.Okuda: "Molecular mechanisms of organic cation transport in OCT2-expressing Xenopus oocytes." Biochim.Biophys.Acta. 1417・2. 224-231 (1999)
-
[Publications] K.Inui: "Cellular and molecular mechanisms of renal tubular secretion of organic anions and cations." Clin.Exp.Nephrol.2・2. 100-108 (1998)
-
[Publications] T.Terada: "Interaction of β-lactam antibiotics with histidine residue of rat H_+/peptide cotransporters,PEPT1 and PEPT2." J.Biol.Chem.273-10. 5582-5585 (1998)
-
[Publications] Y.Urakami: "Functional characteristics and membrane localization of rat multispecific organic cation transporters,OCT1 and OCT2,mediating tubular secretion of cationic drugs." J.Pharmacol Exp.Ther.287・2. 800-805 (1998)
-
[Publications] Y.Uwai: "Functional characterization of the rat multispecific organic anion transporter OAT1 mediating basolateral uptake of anionic drugs in the kidney." FEBS Lett.438・3. 321-324 (1998)